メニエール病は、命にかかわるような重大な病気ではありませんので、家庭や職場などで、突然めまい、発作に襲われても決してあわてないで下さい。落ち着いて次のように対処します。
まず、横になって安静にします。頭はできるだけ動かさないようにします。頭を動かすと、内耳を刺激してよけいな負担をかけ、めまいが強くなります。横になる際、耳鳴りや難聴のするほうの耳を上に向けると、症状が和らぎます。また体も急に動かさないようにして、必要があればできるだけゆっくりと動かします。
そして、カーテンを閉めたり、照明を消したりして部屋を暗くします。メニエール病は目の瞳孔が過敏になっていますので、明るいままでは周囲が回り、物が動くのがよく見えて気分が悪くなってしまいます。
それから、テレビなどの音も小さくするか消したほうがいいでしょう。
吐き気がしたり、気分が悪くなったりしたときは、市販されている酔い止めの薬を飲むといいでしょう。酔い止めの薬には精神を安定させる作用や吐き気を抑える作用などがありますので大変に有効です。
しばらくこうしていると、次第に症状が治まるはずです。しかし、発作が治まったからといって、そのままにしておくのはよくありません。早めに耳鼻咽喉科を受診してください。特に発作が起こるたびに、少しずつ耳鳴りや難聴がひどくなると感じる方は、早めに治療をうけることが必要です。
ただし、めまいや吐き気のほか、強い頭痛がしたり、手足がしびれたり、ろれつがまわらなくなったり、意識が薄らいだり、物が二重に見えたりなどの症状がある場合は、メニエール病ではなく、脳の障害などの「危険な状態」が起こっていると考えられますので、すぐに救急車を呼んで医療機関に行ってください。
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