過呼吸症候群（過換気症候群）についてわかりやすく紹介しています。

　ヘモグロビンは、血液に乗って、酸素を体のすみずみまで運んでいきます。体の各部にたどりついたヘモグロビンは、運んできた酸素を放出し、酸素は体の細胞に使用されます。細胞は酸素を消費に、その廃棄物として二酸化炭素を出します。

　すると、今度は二酸化炭素が細胞から血液の中に放出されます。二酸化炭素は血液に乗って肺まで運ばれ、息を吐くときに体の外へ排出されます。

　ヘモグロビンが体の隅々に酸素を放出する際に、カギをにぎるのが二酸化炭素です。すなわちヘモグロビンは二酸化炭素と出会ってはじめて、酸素を放出できます。二酸化炭素なしでは細胞に酸素を送ることができなのです。

　過呼吸とは、息を吸いすぎるとともに吐き出しすぎる状態なので、血液中の二酸化炭素が少なくなります。そうするとヘモグロビンと結合した酸素は血液中にたくさん存在しているのに、二酸化炭素が少ないために、ヘモグロビンが酸素を切り離さず、細胞に酸素が提供されなくなってしまいます。

　過呼吸で苦しくなると酸素がたりないと感じますが、これは二酸化炭素が足りないことにほかなりません。