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鼻の病気と症状

鼻の病気と症状

肥厚性鼻炎(ひこうせいびえん)

 鼻かぜなどがなかなか治らず、数ヶ月同じ症状がつづいた状態が慢性鼻炎ですが、なかでも鼻腔にある下鼻甲介の粘膜組織が増殖、肥大して、慢性化したものが慢性肥厚性鼻炎と呼ばれます。

 おもな症状は鼻づまりです。とくに夜になるとつらくなります。多くは両側の鼻がつまり、粘りけのある鼻汁が出たり、鼻水が喉に流れてくる後鼻漏という症状になります。

 肥厚性鼻炎は、鼻かぜなどが慢性化して起こることもありますが、多いのはアレルギー性鼻炎の悪化によるものです。長期間アレルギー性鼻炎に悩まされ続けた結果、鼻粘膜の組織そのものが変化増殖してしまうものです。こうなると、花粉症と同じような症状が出つづけることになってしまいます。

 また、血管収縮薬の入った点鼻薬を使いすぎると、肥厚性鼻炎を引き起こすこともあります。血管収縮薬は即効性に優れ、鼻粘膜に噴霧すると、数分で鼻づまりが緩和されますが、持続性がないため数時間もするとまた鼻がつまってしまいます。そのために頻繁に使う人がいますが、頻繁に使い続けると鼻粘膜が薬の刺激によって腫れ、組織が変化して肥厚性鼻炎になってしまいます。

 肥厚性鼻炎では下鼻甲介が腫れると口で息をするようになり、いびきや扁桃炎を引き起こすことにもなります。肥厚性鼻炎がひどくなると、鼻呼吸ができなくなるので、運動もしづらく、熟睡も出来なくなります。いちばん確実な治療法は肥厚した下鼻甲介を切除することとなります。