依存症の特徴と治療

依存症の特徴と治療

依存症とは

依存症とは 
 依存症とは、日ごろから習慣になっていることをやめようとすると不安やイライラが募り、それなしでは我慢できないという状態になるのが「依存症」です。きっかけは、ストレス解消や、ささいなきっかけで始めたことが、いつしかそれがないと落ち着かなくなり、そして、手に入れられないとつらい禁断症状がみられるようになります。依存症は自分をコントロールすることができなくなるのが怖いところです。
 依存症で一番多いのはアルコール依存、そしてタバコ依存、薬物依存、ギャンブル依存などがその代表的なものですが、近年ではゲーム依存、インターネット依存など時代を反映した依存症も認められており、大きな社会問題になりつつあります。また、依存症というと、「心の弱い人がかかる病」、「自制心がない人」といったイメージがありますが、依存症は心の病の一つで、脳のはたらきと深く結びついています。ですから、だれにでも起こりうる病気だといえます。



依存症の種類
依存症は大きく分けて、「物質に対する依存症」と「行為に対する依存症」に分けることができます。

物質に対する依存症
物に対する依存症には、アルコール依存症、タバコ依存症、薬物依存症があります。これらは摂取しすぎると、徐々にそれまでの摂取量では我慢できなくなって摂取量が増えてしまうことです。たとえば、アルコールの場合、初めはボトル1本だったものが2本、3本と増えていって、しまいには朝から晩まで飲み続けないと気がすまなくなってしまうような場合です。
 物に対する依存症の怖いところは、これらは摂取しすぎると、身体にこれらの物質に対する耐性ができ、「身体依存」の状態になってしまうからです。身体依存の状態になると、依存している物質を摂取しなくなると禁断症状が現れ、情緒不安定になってしまいます。そして、この状態が続くと脳は満足しても体が破壊され、取り返しのつかないことになります。したがってこの依存症から脱出するためには、その物質を生涯断たねばなりません。

行為に対する依存症
 ゲーム依存症やギャンブル依存症などのように、ある特定の行為に必要以上に熱中してしまう状態です。体にとって悪いものを摂取するというわけではありませんが、ギャンブルなどに熱中するあまり金銭問題を引き起こしたり、ゲームに熱中する余り仕事に行かなくなったり(ワーカホリックの場合は逆に生活を放棄し仕事にのめりこみます)と、日常生活に支障をきたすようになります。
 自分で「限界を超えている」という自覚があっても自制することができなくなります。肝心なのはその「行為」であるので、買い物依存者は買った「物」に対してはすぐに興味を失ったり、ギャンブル依存者はギャンブルの結果手にしたお金を再びギャンブルにつぎ込みます。
 このように、その過程は物質に対する依存症に類似していますが、大きく違うのは、依存に直接関わる物質が存在しないために、身体への直接的な悪影響が出ることは少ないので、逆になかなか依存症であるという自覚を持つことができません。