依存症の特徴と治療

依存症の特徴と治療

依存症の原因

 依存症になってしまう原因は昔から研究されており、今では原因はほとんど解明されています。

物質に対する依存症の原因
 物質に対する依存症の場合は、アルコールやニコチン、薬物などが脳の神経細胞に作用して異変を引き起こし、脳の神経機能を変化させ、アルコールやニコチンなしでは正常な状態が保たれないようになってしまうのが原因です。脳神経が変化したまま放っておくと、脳は常にその薬物を摂取しないと正常ではないという認識が行われるようになります。そして、脳神経に耐性ができて、それまでの量では正常に保てなくなり、摂取量が増加していくという悪循環におちいります。

行為に対する依存症の原因
 行為に対する依存症には、ドーパミンが深く関わっています。ドーパミンは日常生活で気持ち良いと感じた時に脳内で分泌される神経伝達物質です。誰でも自分の好きなことをしている時は、脳の中でドーパミンが分泌されていますが、通常ならばある程度の抑制力が働き、実生活に破綻をきたすことにはなりません。しかし、依存症の場合は、ドーパミンの作用を抑制するセロトニン(興奮を押さえ感情を安定させる神経伝達物質)の分泌量が少ないため、普通の人より強く快感を感じてしまいます。その結果、より強い快感を再び得ようと依存行為に走ってしまうと考えられています。なお、セロトニンの量が少ない原因は、ストレスが考えられます。

 このようなドーパミンが影響する脳の興奮による依存症は、ゲームや買い物といったもののほかにも、人間が楽しいと思えることは何でも依存症になる可能性を誰もが持っているといえます。