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拒食症・過食症(摂食障害)とは

 摂食障害の身体症状

 生理が止まる。
拒食症では、真っ先に生理が止まります。生殖という行為は母体が健全であってはじめて成り立つことですから、やせが進行するとまず生理が止まるのは自然の理にかなっています。生理は元の体重にかなり近くまで回復しないと戻りません。規則正しい生理があるためには体脂肪率が約17%は必要です。また体重は戻っても吐いている限り生理は戻りにくいものです。拒食症では、ほかに甲状腺ホルモンなども低下します。やせて皮下脂肪が少なくなるので寒がりになり、産毛が生えてきます。また新陳代謝が低下しているので血圧は低く、脈拍も遅くなります。



 
酸蝕歯、吐きダコ
嘔吐を繰り返す場合は、食べ物といっしょに吐き出される胃液のために歯の表面の硬いエナメル質がとかされて虫歯が多発することがあります。これを酸蝕歯(さんしょくし)といいます。通常はむし歯ができない部分にむし歯ができるので、アメリカでは歯科医が過食症を見つけることが多いそうです。また手をつっこんで吐くため、手に吐きダコができる人もいます。



 むくみがでる
むくみもよくみられる症状です。むくみは体の組織に水がたまった状態です。拒食症で見られるむくみの原因は栄養失調による場合がほとんどです。むくみは急激に食事の摂取量が増えた場合にもみられますが、これは一過性のものです。通常のむくみは利尿剤を使って水分を排泄すれば治ります。拒食症によるむくみは栄養失調が原因なので、利尿剤でむくみをとろうとすると習慣になりますので原則的には使用すべきではありません。



 低カリウム血症・低血糖
嘔吐や下剤、利尿剤などの乱用によって体に重要な電解質であるカリウムを排出してしまうと、低カリウム血症になります。カリウム不足になると疲労感や動悸や不整脈が生じ、重い場合は心不全を起こすこともあります。拒食症のことを一種の慢性的な自殺行為ともいわれるくらい、統計によると約6%の人が亡くなっています。この低カリウム血症・低血糖は生命の危険につながりますので注意が必要です。