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拒食症・過食症(摂食障害)とは

 拒食症とは

 拒食症は文字通り食事を受け付けなくなり、ガリガリにやせ細ってしまう病気です。いっさい食べ物を拒否するわけではありませんが、極端な食事制限を続け、短期間のうちにみるみるやせてしまいます。ダイエットの最初のころは、カロリーの高い脂っぽいものは食べない、ご飯も茶碗に半分しか食べないような状態ですが、そのうちご飯をまったく口にしなくなります。好んで食べるのは、レタスやセロリなどの野菜、ひじきやのりなどの海藻類です。あまりのやせ方に、周囲の人は病気では?と疑うのですが、本人には異常であるとか、病気であるという自覚はありません。

 拒食症の多くはダイエットが引きがねになって発症します。その根底には太ることに対する恐怖のよう感情があるので、ダイエットに歯止めがかからず、ほとんど食事をしない状態が際限なくつづき、どんどんやせてしまいます。最初は、自分の意思で食欲をコントロールし、意識的に食べない状態をつづけているのですが、やせが進むと、食べようと思ってもたべられなくなってしまうこともあります。極端なダイエットを行い、標準体重のマイナス20%以上のやせが3ヵ月以上続くようなら、拒食症と考えられます。

 ダイエットが進むと、やせられたことで自信がつき、さらにまわりの人からやせたことを認められるため、もっとやせたいとダイエットにのめりこんでしまうことがあります。本人は、醜く痩せているという意識はなく、周囲の人が「少し痩せ過ぎじゃないの」と心配しても本人はそう思わず、「まだ太っているからもっと痩せなくては」と思ってしまっています。そして自分が病気であることを認めたがりません。

 拒食症が進み極端に体重が減少すると、からだにもさまざまな変化が生じてきます。月経がなくなる、脈が早くなる、低血圧、低体温になる、などが見られますが、本人は病気だとは思っていませんので自分から病院にいくことはありません。ただ、月経がなくなると婦人科を受診することになりますので、拒食症の場合はまず産婦人科を受診し、そこから専門医に紹介されてくるケースが一番多いようです。



 拒食症は食べ物にこだわる
 拒食症の人は太ることを恐れるあまり、徹底的に食べ物にこだわります。拒食症の人は炭水化物や脂肪をさけ、野菜を好む傾向にあります。あるひとつの食品にこだわり続ける人も少なくありません。患者さんはカロリー計算のプロになっていて、食物を見ただけでカロリー計算ができたり、毎回食物を計量してからよそったりします。ただし、関心はカロリー計算だけにあって、実は栄養学的な知識に関しては驚くほど無知だったり、誤った信念をもったりしています。テレビや雑誌などのダイエット情報から自分なりの信念をもっていることが多いのですが、カロリーを減らすことだけにしか関心がないので、かたよった不十分な知識であることが多くあります。

 過食症も拒食症も食事に関心が向いています。自分は食べないにもかかわらず、家族には食事を強要します。また、栄養士やお菓子つくりの専門家になりたいという人も結構います。そのほかには家族のいる前では食事を取らず、深夜一人で食べたり、親の手作りには手をつけないのに、外食はよくたべるなど、食行動が見られます。