ADHD(注意欠陥/多動性障害)について説明しています。

ADHDの原因

診察を受ける子ども

ADHDの主な原因は生まれつきの脳機能障害であると考えられています。脳のどの部分が関係しているのか、またどのような脳機能がADHDと関わっているかについては近年様々な研究が行われ、その原因が少しずつ明らかになってきています。

 

ADHDでは大脳の前方の部分(前頭葉)の障害と、それに関連する実行機能の問題が指摘されています。この部分は、過去の出来事を参考に将来を見極める、言語を使って思考する、非言語のイメージを用いて想像するなど、自分の経験を有効に活用して先を見通し、長期的な目標を決めて、それにあった行動を行うようにプランを立て、遂行するという重要な役割を担っています。ADHDに人はそのプロセスがうまくいかないため、様々な症状が起こると考えられています。

 

基本的にはADHDは生まれつきのものですが、環境からの影響も見逃せません。一卵性双生児の研究から、遺伝的には同じ資質をもっていても、環境が整っていればADHDを発祥することは少なく、経済的、社会的、家庭的環境が整っていないとADHDを発祥しやすく、また重症化する傾向も強くなります。