ADHD(注意欠陥/多動性障害)について説明しています。

片付けられない症候群

診察を受ける子ども

部屋はいつも散らかりっぱなしで、使ったものを収納したり衣類を整理整頓したりするのが苦手な人がいます。こうした片付けができない人は、片付けられない症候群、ADHD(注意欠陥/多動性障害)の可能性があります。

 

部屋が散らかっていると必要なものが見つからなくなり、気持ちがイライラします。家族からは小言を言われたり、また、忘れ物が多いと周りの人からルーズな人と思われたりします。

 

片付けができないのは男性も女性も同じですが、でも、男性の場合は家族が手伝ってくれることが多く、家庭では目立ちません。しかし、社会にでたとき、机などに自分の持ち物が散らかっていたり、身だしなみや時間などにルーズなところがあらわれてきます。

 

女性の場合は、片付けができないと、日常生活にさまざまな障害が起こり、他人に迷惑をかけることが多くなってしまいます。

 

 


片付けの7つのコツ

家事でメインになるのは掃除、洗濯、料理です。ADHDの人は片付けが大変苦手です。どこから片付ければいいのか、どうやって手をつければいいのかわかりません。部屋がちらかっていると、何がどこにあるのかわかりません。なくし物も多くなって生活に支障がでます。

 

そこで片付けることを習慣化するようなルールをいくつか決めておき、それを自分の中で定着化していくことがコツです。

1.すぐに片付けるクセをつける

使ったものをすぐに片付ければ部屋が散らかることはありません。物があふれている部屋で過ごすと、気分もイライラしてきます。落ち着いて過ごすためにもすぐに片付けるようにします。

2.分野別に収納する

片付けを上手にするには、物を分けて収納するのがいちばんです。引き出しだったら、よく使うものを上段から収納し、下段はあまり使わない物にします。

 

また、探すときに迷わないように、同じ種類の物をまとめたり、一緒に使うものを分野別にしたりして、工夫して片付けるようにします。

3.不要品は捨てる

住む家の大きさは決まっているのですから、収納しきれなくなったり、使わなくなったりしたものは、順に処分する勇気を持ちましょう。余分な物を家の中に置かないようにすると快適に過ごせます。

 

部屋だけでなく、下駄箱、キッチンも収納スペース、冷蔵庫なども同じです。余分に買わないことも大事ですが、不要になったものを早く片付けるクセをつけておこことが、整理整頓のコツです。

4.部屋をシンプルにする

どの部屋も整理整頓し、シンプルにするクセをつけることが大事です。引き出しや戸棚の中には、カゴや箱などを入れ、分野別に片付けやすい環境を作っておきます。物を必要最小限に減らしておくとなおいいのですが、無理せずに整理しやすい場所を確保しましょう。少し余裕をもって7〜8割程度の収納を保っておくと困ることがありません。

5.大事な物をしまう場所を作る

何をどこに入れるかきちんと決めておけば、大事な物がなくなることはありません。大事なものは1ヶ所にまとめ、入れる場所を決めたらラベルをつけるようにします。自分にとって重要なものを仕分けし、重要度の高いものから目立つ場所に置くようにするのもコツです。

6.物を残す、捨てるルールを作る

必要な物を残して、不用品を捨てるという単純なルールを作ると、深く考えずに片付けができます。ひとつ新しいものを買ったら、ひとつ捨てるというように、暮らし方を見直してみましょう。

 

床に物を置かない、と決めたらルールを守るようにし、置いてしまったとしても10分間で片付ける、というように具体的に目標を決めてそれを守るようにします。

7.快適感を味わう

部屋が汚いとイライラします。逆に部屋がキレイになると気持ちがよく、何事にもやる気がでます。そうした気持ちをしっかりと感じ、常にスッキリした家にしておくように心がけましょう。

 

また、部屋が片付いていると、必要な物を探し出す時間が短縮され、あわてることもありません。もし、どうしても自分でできない人は他人の援助を求めましょう。友人や家族、または掃除のプロに頼むなど、自分で判断できにくい部分を促してもらうと自分でもやり方が見つかるようになります。