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認知症・アルツハイマー病

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認知症・アルツハイマー病 こんな時には

認知症・アルツハイマー病 こんな時には

ものを盗まれたとさわぐ 夜になると騒ぐ
ないものを、盗まれたとさわぐ 夜、眠ってくれない
ガラクタを拾ってくる 家族を他の人と間違える
近所のお店から黙って品物を持ってくる 家に帰りたがる(夕暮れ症候群)
食事をしたのに「食べていない」と言う あてもなく歩き回る(徘徊)
過食になる 汚れた下着を隠す
たばこをやめてくれない おもらしをする(失禁)
夫(妻)が浮気をしていると疑う おむつをはずしてしまう
セクハラ行為が出てきて困る

ある物を何でも食べてしまう

入浴をいやがる 弄弁(ろうべん)
暴力を振るう 幻覚症状

 認知症の介護の原則


 愛する家族が認知症だと診断されたとき、ショックを受け、とまどい、混乱してしまうのはだれでも同じです。もし家族が認知症になったとき大切なことは認知症をよく理解することです。私たちが不安や恐怖に襲われるのは、自分が対面しているものの正体がわからないからということが多いのです。認知症についても、ともかく情報を集めること。そうすればどうすればよいかが見えてきます。

 認知症の方の介護で心がけることは、患者さんの「自尊心を尊重してあげること」です。認知症の方を子どものように叱りつけたり、頭ごなしに否定したりすると、自尊心(プライド)が傷つけられてしまいます。

 そして、認知症の方の行動の特性を知ることです。それは「現実のとり違え」と「失敗行動」です。このような特性を知った上で、具体的な症状、行動についての介護を行います。




   ものを盗まれたとさわぐ
 認知症の早期には、記憶障害のために頻繁に置き忘れや、しまい忘れをします。そのため、ものがないと「盗まれた」と思うのです。こうした場合にはまず、自分の気持ちを落ち着かせて、なくしてしまった認知症の方がいちばん困っているのだということを理解してあげます。

 「盗まれたのはなにか、もう一回探してみましょう」と言って、一緒に探します。探した人が見つけると「盗んでこっそり隠していた」と疑われるので、必ず本人に発見させるようにします。「盗まれた」と騒いだ手前、本人はてれくさいかも知れません。「よかったですね」と言って、責めないことが肝心です。

   ないものを、盗まれたとさわぐ

 認知症の早期には、記憶障害のために、自分が処分したことや、人にあげたことを忘れてしまうのです。こうした時は、事実を告げても納得してもらえません。ともかく探す手伝いをしましょう。そして本人の気持ちが落ち着いてきたら「一休みしましょう」とお茶などに。お茶を飲んでいる間に忘れてしまうこともよくあります。それでも効果がないときは「明日、あれよりもっといいものを買いにいきましょう」などと言って落ち着かせます。

   ガラクタを拾ってくる

 何かを集めて部屋にため込む収集行動は、認知症の高齢者によくある行動です。散歩に行くたびに、石や葉っぱのような小さいものから、粗大ごみのようなものまでさまざまです。他人にはゴミに思える物でも、集めている本人には意味があるものなので、取り上げようとしたり、目の前で捨てたりすると気持ちを傷つけ、怒らせることになります。こうしたことは一時的なものなので、害のない物は、そっとしておきましょう。ただ、腐ってしまう食料品や不衛生なものは、気づかれないうちにそっと処分するのがコツです。

   近所のお店から黙って品物を持ってくる

 近所のコンビニから黙って商品を持ってきたりすることがあります。記憶障害が進んで、お金を払ったと思っているのかもしれません。いずれにしても病気のせいですから、しかったり、責めたりするのはかわいそうです。

 よく行くお店の人には「あとで家族が必ずお金を払いに行きますから」と事情を話して、自宅に連絡してもらうようにします。迎えにいく場合も皆の前で恥ずかしい思いをしないように気配りをすることも大切です。また、何か買いたいものがあるのかもしれません。一緒に買い物にいくようにすると、困った行動が減る場合もあります。

   食事をしたのに「食べていない」と言う

 認知症の方が、食後しばらくするとまた「昼ごはんを食べていない」、「何でご飯を食べさせてくれないの」といって何度も食べ物を要求するのは、食べたことを忘れてしまうのです。また脳の満腹中枢が侵されている場合や、欲求不満を食べることで満たそうとした結果起こるものです。
 「いま食べたでしょ」といっても本人は納得できないのです。「これから用意するところだからもう少し待っててね」とやさしく言って、おやつやおにぎりなどを少量ずつ渡すなどして、食べることの満足感や期待感を満たしてあげます。また「おなかがすいた」という場合は、お茶をいれて果物など軽いものを添えます。エネルギー料が多いものだと食べすぎになって、食事が不規則になる原因になりますので注意が必要です。


   過食になる

 認知症の症状が進むと、過食になることが少なくありません。食欲をセーブすることが難しくなるからです。また満腹中枢が障害されていることもあります。

 「お医者さんに言われているから」と言ってもそれを理解して、行動に結びつけることも難しくなっています。食事はこんにゃく、海草類など、エネルギー料の少ないメニューを取り入れるのが一つ。また、お茶碗を小ぶりなものにして、何度もおかわりが出来るようにすると、十分に食べたという満足感が得られやすいようです。

   たばこをやめてくれない

 認知症の方の火の取り扱いは、非常に気がかりなことです。最も怖いのは、タバコの不始末で、つけたこと自体を忘れてしまいます。そのため、マッチやライターなどは身近に置かない、タバコはそのつど1本ずつ渡し、目が届くところで吸ってもらうようにルールを作ります。また食事の後など一服する時間を設けて、たばこを吸うときには家族がいっしょにいるようにします。あとは「吸いたいときは言ってくださいね」と言って、たばことライターを預かり、吸うときにはだれかがそばにいるようにします。

   夫(妻)が浮気をしていると疑う

 自分の能力が低下していくことに不安をいだき、自信を失っているので、それが嫉妬妄想になります。妻側だと、夫が若い女性と会っている、夫が嫁と出来ているのではないか、などという妄想にかられます。

 どんなに否定をしても、受け入れてはくれません。否定すればするほど妄想がエスカレートして、攻撃的になることもあります。ともかく、本人を安心させるのが一番です。手をつないだり、話すときに肩にさわったり、スキンシップを増やすようにして、大事に思っていることを伝えると不安が減ります。

   セクハラ行為が出てきて困る

 認知症だからといって、性的欲求がなくなるとか、持ってはいけないということはありません。しかし、認知症の方の場合には、性的欲求の満たし方がわからずに、周囲を驚かすようなことにもなります。
 介護していると、性的な話をしたり、体にさわってくることがあります。認知症が進むと、性的な欲求をコントロールできなくなり、不安や寂しさが強いと、よけいにでることもあります。

 無邪気なものなら、「おいたをしてはいけません」などと言って上手にあしらいましょう。家族のだれかに一緒にいてもらうのが、いちばんです。それが出来ないときには、セクハラが出にくい環境をつくること。本人が好きな音楽や興味を引くものを渡して、それについて話をしながら介護する、外に連れ出して気分転換をさせてたり、入浴時に背中を流してあげてスキンシップの機会を持つなど工夫をしましす。もし、性器をみせたり、性行為をせまるなどの行為にでたら、理由をつけてすぐにその場から離れましょう。

   入浴をいやがる

 入浴を嫌うのはアルツハイマー病の人に多いようです。それは、入浴が、服を脱ぐ、湯につかる、からだを洗う、からだをふく、服を着る、といったたくさんの動作が必要なために、かなりの集中力が要求されることです。このため風呂嫌いになることが多いようです。もう一つは、自分が汚れていることに無頓着になることです。

 よく、無理やり服をぬがせておふろに入れてしまいがちですが、たとえば、はだかになるのをいやがるのなら、下着のままで入ってもらう方法もあります。また、認知症の人のふろは時間も手間もかかりますので、人手を頼めるときを入浴タイムにするといいかもしれません。介護する方にゆとりがあると、案外スムーズにいきやすいものです。

   暴力を振るう

 認知症の人は、病気のために言葉がだんだんスムーズに出てこなくなります。口で伝えられないくやしさや、もどかしさが暴力という形で出ることがあります。暴力を力で抑え込もうとすると、暴力がエスカレートすることが多いようです。ともかく、家族がまず落ち着くことです。そして暴力の原因を考えてみます。例えば、「何の言葉もかけないで介護行為をするなど、相手の自尊心を傷つけるような行為をしていないか・・」「相手の意思を無視して強引なことをやっていないか・・・」など、原因をつきとめて対処することです。

   夜になると騒ぐ

 夜になると、壁に虫がはっている・・・、などと言い出したり、引き出しを開けたり閉めたり・・・。興奮して歩きまわる・・・。アルツハイマー病になると、意識がもうろうとなり、錯覚や幻覚を起こして興奮状態になることがあります。特に夕方から夜にかけて起きることが多いのが特徴です。そういった場合は、まず部屋を明るくすること。そして、静かに話しを聞いてあげることです。お茶やあたたかいミルクを飲ませたり、散歩に連れ出したりして、気分転換をして気持ちを落ち着かせるのも効果があります。一過性のものですから、数日後には症状が消えもとに戻ります。

   夜、眠ってくれない

 夜になると落ち着きがなくなり、家じゅうをウロウロしたり、なかなか眠ってくれことがよくあります。夜になってもなかなか眠らないという理由にはさまざまなことが考えられますので、生活と本人の様子をよく見て原因を探してみます。

 原因の一つには、昼寝をするなど日中の運動量が少ないと、寝つけなかったり、眠りが浅くなったりします。こうした行動を防ぐには、日中に散歩や軽い運動をさせたり、家事の手伝いや庭仕事をさせるなど、日中の生活を活動的にすることが必要です。ぐっすり寝てもらうためには、寝る前に入浴したりするのも効果的です。落ち着かないときには、しばらく一緒に横になると安心して眠る場合もあります。

   家族を他の人と間違える

 いっしょに暮らしている家族を自分の姉や弟と間違えたりします。人物誤認は、認知症の人の3人に1人くらいに起こることだといわれています。遠くにいる娘や息子が訪ねてきても「どなたさんでしたっけ」と、相手が誰だかわからないことがあります。とはいえ、相手は自分をよく知っている人だということはわかっているものです。私たちも、たとえばいきつけの店員さんでも、私服姿で、思いがけない場所で合うと、だれだったか思い出せないのと同じようなものなのでしょう。

   家に帰りたがる(夕暮れ症候群)

 夕方ごろになると決まってそわそわと落ち着かなくなり、「家に帰ります」といって、帰り支度をして出ていこうとします。だいたい夕暮れ時にこうしたことが起こるので、夕暮れ症候群、夕方症候群などと呼ばれています。

 自分がどこにいるのかわからなくなって、知らない場所にいると思っています。不安なので家に帰りたいのです。意識が若い頃や幼い頃に戻っていて、実家をさす場合もあります。そんなときは、とりあえず「そうですか」と受け止め、「夕ご飯を食べていってください」、「今日は泊まっていってください」などと言って気持ちをそらします。本人の気持ちに寄り添いながら、落ち着かせるのがコツです。

   あてもなく歩き回る(徘徊)

道に迷う、あてもなく歩き回るといった徘徊は、家族にとっては「事故に遭うのではないか」、「行方不明になったら」という不安で精神的にも大きな負担となります。しかし、認知症の方にはそれなりの理由がありますので、その原因や欲求を冷静に考えて対応していきましょう。「ついてくるな」と嫌がるときは、少し離れて歩き、本人が疲かれたり心細くなったときをみはからって、偶然であったようにふるまい「帰りましょうか」と声をかけます。徘徊予防のために1日の生活パターンを作ったり、毎日いっしょに散歩する時間を設けることも効果的です。

徘徊を繰り返すときの対策

 近所の人にも事情を話して、付き添いなしでいる本人をみかけたら知らせてもらうようにします。立ち寄りそうなところにもお願いをします。地域の警察にも、本人の写真をもっていって事情を話しておきましょう。

 また迷子になったときのために、衣服に名札を縫いつけたり、お守り袋に住所や氏名を書いた紙をつけておきます。目立つところにつけると自尊心を傷つけますから、本人にわからないようにします。

徘徊高齢者位置情報システム、徘徊予防グッズ

 市町村によっては、徘徊高齢者位置情報システム事業を行っているところがあります。携帯の端末機を貸し出してくれ、これを本人の衣服に縫いつけたり、おまもりなどに入れておきます。行方がわからなくなったときには、家族が電話やパソコンで居場所を確認できます。また、徘徊予防グッズも市販されています。子機を身に着けている人が本体機器から設定した距離以上に離れると、音で知らせる徘徊感知機器などいろいろあります。

   汚れた下着を隠す

 押入れを整理しようとしたら、失禁で汚した下着がたくさん出てきました。これは失敗したのが恥ずかしくて下着を隠したのです。自分が隠したのを、すっかり忘れてしまうこともあります。こうした場合、責めたり、しかったりすれば、相手の気持ちを傷つけプライドをこなごなにしてしまいます。本人に気づかれないように、こっそり片付けましょう。失禁したことを怒ると、また失禁するのではないかと心配で、頻繁にトイレに通うことにもなりがちなので注意が必要です。

   おもらしをする(失禁)

 部屋の隅や、浴室などで、おもらしをすることがあります。認知症の方は知的能力は低下しているとはいっても自尊心や感情まで失っていないので、本人は恥ずかしく自尊心がとっても傷ついています。そのため、頭ごなしに、しかったりせずやさしく接することが大切です。

 トイレの場所はわかりやすいように、トイレのドアに「トイレ」と大きく書いた紙を貼っておきます。廊下や浴室をトイレと思い込んでおもらししてしまう場合には、そこにポータブルトイレを置くなど工夫します。また1日のパターンをメモにとって、ころあいを見計らってトイレに連れていくなどを心掛けます。

   おむつをはずしてしまう

 失禁が多くなっておむつにしましたが、自分でおむつをはずしてしまいます。おむつをすると、だれでも違和感があります。また不快感を助長する原因があることも考えられます。

 おむつにしたからといって、トイレでの排泄をやめてしまうのは考えものです。11回でもトイレで排泄するよう辛抱強くケアしましょう。認知症が進んでも、排泄の世話をしてもらうのは恥辱感があります。また、おむつをはずしてしまったからといって怒るのは酷なことです。

   ある物を何でも食べてしまう

 身の回りにある物を何でも食べてしまうのは、満腹中枢が侵されていたり、味覚の働きが低下している、あるいは食べられる物と食べられない物の区別がつかないなどといった原因が考えられます。
 気がついたら別のもの、例えばアメなどと交換してあげると、口にしたものを出してくれます。また、ふだんから口にしては危険な物を身の回りに置かないようにして、常に健康状態に注意する必要があります。


   弄弁(ろうべん)

 認知症の症状が重くなって、便がでたという感覚がなくなり、便を便として認識できなくなることがあります。おむつの中に手を突っ込んで、便をさわるし、周りを汚したり、便をなめたり、丸めたりして遊ぶこともあります。

 これはおむつの中が便で気持ちわるいので、なんとかしようとさわってしまうのです。便がでたらすぐおむつを交換してあげればいいのですが、現実にはなかなか難しい問題です。本人の排便のリズムをキャッチして、トイレで辛抱強くサポートしてあげましょう。

   幻覚症状

 実際には虫などいないのに、「虫がいる」といって気味悪がったりすることがあります。普通の常識からすれば、誤りを訂正するのが正しい対応ですが、認知症の方にはこのような常識は通用しません。ないものが見えて、不安がっているのだという気持ちを受け止めて理解しようという姿勢が大切です。






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