TOP
TOP>アトピー性皮膚炎Q&A  
大人のアトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎Q&A

室内環境での注意は? 
衣類で気をつけることは? 
皮膚によい素材は 
洗濯はすすぎをしっかりと 
日光浴は皮膚を強くする 
化粧品は使える? 
体質は変えられる? 
アトピー性皮膚炎は遺伝する 
妊娠したらどうする
 


掃除で注意することは?
ほこりやダニなどのアレルゲンだけがアトピー性皮膚炎の直接の原因ではありませんが、アトピー性皮膚炎の本人が掃除をしていては、いくらきれいにしても掃除中にほこりやダニを吸い込んで病気には悪影響を与えることになります。ですから、掃除はアトピー性皮膚炎でない家族の誰かにやってもらうようにお勧めします。
 もし、それが出来ないならば、吸引力が強く、本体を室内に置いて掃除の出来るホースの長い掃除機を使用するなどして、ほこりを吸わないで掃除が出来るような工夫が必要です。
 アトピー性皮膚炎の対策として、床をフローリングに替える方も多いようですが、その場合も科学物資の入った洗剤などは使用しないように気をつけましょう。水雑巾と乾ぶきをするだけで十分きれいになります。
 また、カビ対策として空気清浄機や、除湿機を使うのもよいでしょう。家具や持ち物を少なくして隅々まで簡単に掃除できるようにしておくことも大切です。



室内環境での注意は?
アトピー性皮膚炎の方の住環境として、気をつけなければならないことは換気です。室内の風通しをよくしましょう。居間、台所、お風呂場などは窓があれば出来るだけ開けて置きます。室内を通気性のよい環境にするだけで、症状がかなり改善される方もいます。

暖房をつけて部屋を締め切ってしまいがちな冬はもちろんのこと、夏も定期的に窓を開けるなどして換気には十分注意します。また、夏はクーラーのフィルターを清潔にしておかないと汚れた空気が部屋を循環することになるので、定期的にフィルターをはずしてしっかり洗い、室内はいつもきれいな空気が循環するようにします。



衣類で気をつけることは?
直接肌に触れる衣服などの素材で一番よいのは絹です。絹は表面がつるつるしていて、ごわつきも無く、通気性にもすぐれているため皮膚にはとてもよい素材です。とはいえ、他の素材に比べると洗濯などの手入れが大変です。
 そこで、絹を使うのが難しいという方には綿をお勧めします。ただし、綿を選ぶ場合、100%で平織りのものにします。織り方がごわごわしていては皮膚に刺激を与えてしまいます、絹のようにさらっとして、つるつるした感じに近い肌触りのものを選びます。
 色も、染色や加工の際に使われた薬品が汗をかいたときに流れ出して、皮膚に刺激をあたえることも考えられますので、染色や加工のされていない白色を選ぶのがよいでしょう。



皮膚によい素材は
肌に一番よい素材として絹があります。絹は繊維のあいだから汗を蒸発させてしまうので、繊維に汗がのこりにくく清潔さを保てるからです。絹以外ならば綿素材のものがいいでしょう。できれば絹のようなさらりとした肌触りの平織りのものを選びます。ただし、綿は繊維が汗を吸うので着替えなければ、繊維に残った汗が皮膚を刺激するのでよくありません。汗をかいたらこまめに着替えるようにしましょう。
 素材選びは、アトピー性皮膚炎の人には非常に大切なことです。子どものアトピー性皮膚炎でも、赤ちゃんの場合、紙おむつに覆われている部分だけ皮膚の状態がきれいというケースがあります。それは紙おむつの表面がつるつるしていて、吸湿速度、吸湿量にすぐれているため、汗や尿をすばやく、しっかりと吸い取るといった工夫がこらされているからです。
 これと同じで、大人もよい環境下できれいな状態を保っている皮膚があれば、その部分と同じ環境にすることで湿疹のできている皮膚の状態はよくなるのです。このように体のある特定の部分に湿疹ができていない場合、「なぜ、この部分だけきれいなのか」ということを考え、身につけるものの素材から、毎日の生活まで見つめ直してみることが大切です。



洗濯はすすぎをしっかりと
素材選びも大切ですが、洗濯にも注意が必要です。洗濯をしたら洗剤はきちんとすすいでおくこと。すすぎが十分でないと残った洗剤が刺激となって湿疹が悪化することがあります。洗濯用の洗剤の中に入っている酵素には皮膚のたんぱく質や脂を溶かす作用があり、すすぎが十分でないと酵素が残留して皮膚に強い刺激を与えることになります。全自動洗濯機だと洗剤が残ってしまうことがありますので、すすぎは2回行います。とにかく洗濯をする場合は、汚れを落とすことばかりでなく、すすぎにも注意をはらって洗剤が残らないように気をつけます。



日光浴は皮膚を強くする
日光に当たると皮膚は丈夫になります。それは、日光の紫外線を浴びることでそれ以上ダメージを受けまいと皮膚の角質層が厚くなり、免疫機能が強化されるからです。免疫機能が強化されると外部から受ける刺激にも強くなります。こうした変化がアトピー性皮膚炎の方には弱い皮膚を強くすることになります。
 ただし、日光浴はその仕方に気をつける必要があります。昼間の一番日差しの強い時間に一気に日光にあたって皮膚が真っ赤になるような日光浴はしてはけません。
 日光浴は午前中ならば午前10時まで、午後は3時以降の日差しのやわらかい時間に行います。日差しの強い正午前後4〜5時間に日光浴をすると皮膚は日焼けを超え、やけどの状態になってしまいます。やけどは皮膚の弱いアトピー性皮膚炎の方にとっては皮膚の状態をさらに悪化させてしまいます。



化粧品は使える?
化粧品の外箱には「皮膚にトラブルのある部位には使用しないでください・・」といったことがかかれています。化粧品はもともと皮膚にトラブルのない人が使うもので、皮膚が弱く、トラブルが起こりやすいアトピー性皮膚炎の人は基本的に使わないほうがよいのです。皮膚は人それぞれに異なります。化粧品もAさんには合ったけれどBさんには合わなかったということもあります。どうしても化粧品を使いたいというのであれば、自分で情報を集め、試してみて、自分に合ったものをさがすしかありません。乾燥肌の高齢者用に作られた化粧品が無難です。高齢者の方の皮膚の状態はアトピー性皮膚炎の状態によく似ています。そうした皮膚にあわせてつくられていますから、アトピー性皮膚炎の皮膚にもより合います。
 それから、化粧品を使用した後はしっかり落とすことを忘れてはいけません。



体質は変えられる?
「体質を変えて、アトピー性皮膚炎を治す」というようなキャッチフレーズで、アトピービジネスをしているところもありますが、今の医学では体質を変えることはできません。そもそも体質とは遺伝的な資質であり、遺伝子操作でもしない限り変えられるものではありません。しかし、症状を軽くするようなコントロールができます。そもそもアトピー性皮膚炎の原因は体質によるものではありません。確かに湿疹ができやすいなどといった皮膚が弱い体質の人はいますが、しかし、その人がすべてアトピー性皮膚炎になっているとは限りません。アトピー性皮膚炎は体質よりむしろ生活環境や、生活の仕方などに関係していると考えられています。



アトピー性皮膚炎は遺伝する
皮膚が弱いなど「アトピー性皮膚炎になりやすい」という遺伝的な体質はあります。しかし、親がアトピー性皮膚炎だから子どももそうなるとはかぎりません。ただ親子は同じ家で、同じ生活環境、生活習慣の下で一緒に暮らしているので、遺伝的なものではなくても同じような体質になっていくとも考えられます。
 なぜならば、親はアトピー性皮膚炎でも、子どもは違うということも少なくありません。遺伝的に皮膚が弱い体質であったとしても、アトピー性皮膚炎になる原因をなくすなど、生活環境に注意して、日常のケアをきちんと行っていくことで、その発症は防ぐことができます。



妊娠したらどうする
妊娠すると体調の変化が起こります。アトピー性皮膚炎の方ですと湿疹がひどくなることもあります。そこで湿疹を隠そうと化粧を濃くしたり、悪化した湿疹におちこんでいるばかりでは、患者さん自身の健康にも、また胎教にもよくありません。妊娠したら細かなことにこだわりすぎたりせずに、前向きにほがらかに毎日を過ごし、生むことに専念しましょう。特別なことをする必要はありません。ごくふつうの生活をして出産に備えてください。


★アトピーの人の入浴剤は

★アトピーの人の石鹸は

★アトピーの人の下着は