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大人のアトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎Q&A

お風呂に入るときの注意は? 室内環境での注意は? 
髪を洗うときの注意は?  衣類で気をつけることは? 
体洗いには何を使う?  皮膚によい素材は 
からだを洗うときの注意は?  洗濯はすすぎをしっかりと 
石けんはどんなものを?  日光浴は皮膚を強くする 
薬を使用する方法  化粧品は使える? 
薬を使わずかゆみを抑える 体質は変えられる? 
寝具で気をつけることは アトピー性皮膚炎は遺伝する 
掃除で注意することは  妊娠したらどうする
 
 


お風呂に入るときの注意は?

アトピー性皮膚炎の人も毎日お風呂に入っても大丈夫です。ただし、入るときは次の点に注意してください。
・湯船には、は入らずシャワーだけですませる。
・シャンプー、リンスは髪が皮膚につかないように工夫して洗髪する。
・入浴後、10分以内に皮膚が乾燥しないように保湿剤で保護する。
・寝る3時間前には入浴をすませ、洗った髪はしっかりと乾かす。



髪を洗うときの注意は?
髪を洗う前には弱いステロイド剤やワセリンを塗っておき、皮膚を保護しながら洗髪します。なぜならシャンプー、リンスはとても洗浄力が強く皮膚を荒らしてしまいます。とくにリンスは陽イオン活性剤ですので肌の大敵です。
 洗髪後は、入浴前につけた弱いステロイド剤やワセリンは石けんでよく洗い落とします。そして入浴後は保湿剤を塗って乾燥を防ぎます。洗髪のたびにいちいちステロイド剤を塗って、また落とすのが面倒だという方は、シャンプーやリンスのかかる部分にラップを貼って皮膚を保護する方法もあります。



体洗いには何を使う?
からだを洗うときはタオル、スポンジ、ナイロンタオルなどはなるべく使用しないほうが良いでしょう。特に症状がひどいとき、からだを洗うのに最も皮膚にやさしいのは「手」です。手でなでるように洗うのが、一番刺激がなく肌にやさしいのです。「基本は手で洗う」といことを頭において、やさしく丁寧に洗うようにしましょう。



からだを洗うときの注意は?
洗いすぎはトラブルの原因になることがあります。日中は汗を流すだけでも十分です。アトピー性皮膚炎の人は汗をかいたら洗い流すのが基本です。夏ならば1日に何回でもシャワーを浴びて皮膚を清潔にしておきます。日に何回もシャワーを浴びる日はそのたびに石けんを使う必要はありません。石けんを使うときには、十分あわ立てて手で洗います。そうすることで、皮膚に刺激を与えないようにすることができます。洗った後はすすぎ残しのないようにしっかり洗います。入浴後、からだをふくときは清潔なタオルで水気を吸い取るようにそっと押さえていきます。ていねいにふき取り、かゆいところなどを決してこすらないようにしましょう。



石けんはどんなものを?
石けんは皮膚を弱酸性に保てる、洗浄力のマイルドなものを選びます。健康な皮膚は弱酸性になっています。弱酸性の皮膚には常在菌があってそれがバランスを保ち、他の雑菌の繁殖を抑える働きをしています。皮膚がアルカリ性に傾いた場合は、菌のバランスが崩れて雑菌が増殖しやすい状態になっています。したがって、弱酸性に保つことが皮膚にとってはよいのです。こうしたことから、アトピー性皮膚炎の人にいい石けんは皮膚の弱酸性に影響を及ぼさないものがいいでしょう。洗浄力のマイルドな、刺激はすくなくとも汚れをきちんと落とせるものを選びます。



薬を使用する方法
かゆいのは湿疹があるからです。薬を塗り、きちんと湿疹を治しておけばかゆみになやまされることもありません。湿疹はステロイド剤を塗って治します。かゆさを抑えるためには、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の飲み薬を飲みます。もっともかゆくなるのは寝る前なので、寝る1時間前に飲んでおくとぐっすり眠れます。薬の用い方として、副作用の少ないかゆみ止めを主に使い、湿疹がひどくなってきたらステロイド剤で治すという用い方でかゆみを止め、皮膚の状態をコントロールしていきます。



薬を使わずかゆみを抑える
かゆい部分をラップで巻き、その上から冷たいタオルなどで冷やします。このとき、直接皮膚にタオルをあてたままでおいておくと不潔になって皮膚を刺激したり、濡れたタオルが皮脂を取ってしまいます。必ずラップに巻いた上からタオルをあてるようにします。



寝具で気をつけることは
顔に直接触れるものは、清潔に保つことが大切です。不潔な枕で寝ているために悪化させているというケースも多くあります。枕は、枕カバーはもちろん、枕のしんも洗濯機で洗えるものを選びましょう。洗濯できる枕としては、特殊ポリエステル綿を使ったものや、アレルギー防止用のパイプ枕なども売られています。布団も簡単に洗えて、乾燥しやすく工夫されているものがいいでしょう。できればふあふあする厚手の布団よりも薄いものを何枚も重ねて使うと洗濯しやすく乾燥も早くできます。
 布団は毎日干すことを心がけましょう、外に干せなくても、家の中で一番風通しがよく、日当たりのよい室内で干すだけでも十分効果があります。
 また、寝具だけでなく、寝室は湿気がこもらないように気をつけてください。寝室は昔ながらの田舎の家のように、常に風通しがよく、換気に優れていて、日当たりがよいのが寝室として理想です。



掃除で注意することは?
ほこりやダニなどのアレルゲンだけがアトピー性皮膚炎の直接の原因ではありませんが、アトピー性皮膚炎の本人が掃除をしていては、いくらきれいにしても掃除中にほこりやダニを吸い込んで病気には悪影響を与えることになります。ですから、掃除はアトピー性皮膚炎でない家族の誰かにやってもらうようにお勧めします。
 もし、それが出来ないならば、吸引力が強く、本体を室内に置いて掃除の出来るホースの長い掃除機を使用するなどして、ほこりを吸わないで掃除が出来るような工夫が必要です。
 アトピー性皮膚炎の対策として、床をフローリングに替える方も多いようですが、その場合も科学物資の入った洗剤などは使用しないように気をつけましょう。水雑巾と乾ぶきをするだけで十分きれいになります。
 また、カビ対策として空気清浄機や、除湿機を使うのもよいでしょう。家具や持ち物を少なくして隅々まで簡単に掃除できるようにしておくことも大切です。



室内環境での注意は?
アトピー性皮膚炎の方の住環境として、気をつけなければならないことは換気です。室内の風通しをよくしましょう。居間、台所、お風呂場などは窓があれば出来るだけ開けて置きます。室内を通気性のよい環境にするだけで、症状がかなり改善される方もいます。

暖房をつけて部屋を締め切ってしまいがちな冬はもちろんのこと、夏も定期的に窓を開けるなどして換気には十分注意します。また、夏はクーラーのフィルターを清潔にしておかないと汚れた空気が部屋を循環することになるので、定期的にフィルターをはずしてしっかり洗い、室内はいつもきれいな空気が循環するようにします。



衣類で気をつけることは?
直接肌に触れる衣服などの素材で一番よいのは絹です。絹は表面がつるつるしていて、ごわつきも無く、通気性にもすぐれているため皮膚にはとてもよい素材です。とはいえ、他の素材に比べると洗濯などの手入れが大変です。
 そこで、絹を使うのが難しいという方には綿をお勧めします。ただし、綿を選ぶ場合、100%で平織りのものにします。織り方がごわごわしていては皮膚に刺激を与えてしまいます、絹のようにさらっとして、つるつるした感じに近い肌触りのものを選びます。
 色も、染色や加工の際に使われた薬品が汗をかいたときに流れ出して、皮膚に刺激をあたえることも考えられますので、染色や加工のされていない白色を選ぶのがよいでしょう。



皮膚によい素材は
肌に一番よい素材として絹があります。絹は繊維のあいだから汗を蒸発させてしまうので、繊維に汗がのこりにくく清潔さを保てるからです。絹以外ならば綿素材のものがいいでしょう。できれば絹のようなさらりとした肌触りの平織りのものを選びます。ただし、綿は繊維が汗を吸うので着替えなければ、繊維に残った汗が皮膚を刺激するのでよくありません。汗をかいたらこまめに着替えるようにしましょう。
 素材選びは、アトピー性皮膚炎の人には非常に大切なことです。子どものアトピー性皮膚炎でも、赤ちゃんの場合、紙おむつに覆われている部分だけ皮膚の状態がきれいというケースがあります。それは紙おむつの表面がつるつるしていて、吸湿速度、吸湿量にすぐれているため、汗や尿をすばやく、しっかりと吸い取るといった工夫がこらされているからです。
 これと同じで、大人もよい環境下できれいな状態を保っている皮膚があれば、その部分と同じ環境にすることで湿疹のできている皮膚の状態はよくなるのです。このように体のある特定の部分に湿疹ができていない場合、「なぜ、この部分だけきれいなのか」ということを考え、身につけるものの素材から、毎日の生活まで見つめ直してみることが大切です。



洗濯はすすぎをしっかりと
素材選びも大切ですが、洗濯にも注意が必要です。洗濯をしたら洗剤はきちんとすすいでおくこと。すすぎが十分でないと残った洗剤が刺激となって湿疹が悪化することがあります。洗濯用の洗剤の中に入っている酵素には皮膚のたんぱく質や脂を溶かす作用があり、すすぎが十分でないと酵素が残留して皮膚に強い刺激を与えることになります。全自動洗濯機だと洗剤が残ってしまうことがありますので、すすぎは2回行います。とにかく洗濯をする場合は、汚れを落とすことばかりでなく、すすぎにも注意をはらって洗剤が残らないように気をつけます。



日光浴は皮膚を強くする
日光に当たると皮膚は丈夫になります。それは、日光の紫外線を浴びることでそれ以上ダメージを受けまいと皮膚の角質層が厚くなり、免疫機能が強化されるからです。免疫機能が強化されると外部から受ける刺激にも強くなります。こうした変化がアトピー性皮膚炎の方には弱い皮膚を強くすることになります。
 ただし、日光浴はその仕方に気をつける必要があります。昼間の一番日差しの強い時間に一気に日光にあたって皮膚が真っ赤になるような日光浴はしてはけません。
 日光浴は午前中ならば午前10時まで、午後は3時以降の日差しのやわらかい時間に行います。日差しの強い正午前後4〜5時間に日光浴をすると皮膚は日焼けを超え、やけどの状態になってしまいます。やけどは皮膚の弱いアトピー性皮膚炎の方にとっては皮膚の状態をさらに悪化させてしまいます。



化粧品は使える?
化粧品の外箱には「皮膚にトラブルのある部位には使用しないでください・・」といったことがかかれています。化粧品はもともと皮膚にトラブルのない人が使うもので、皮膚が弱く、トラブルが起こりやすいアトピー性皮膚炎の人は基本的に使わないほうがよいのです。皮膚は人それぞれに異なります。化粧品もAさんには合ったけれどBさんには合わなかったということもあります。どうしても化粧品を使いたいというのであれば、自分で情報を集め、試してみて、自分に合ったものをさがすしかありません。乾燥肌の高齢者用に作られた化粧品が無難です。高齢者の方の皮膚の状態はアトピー性皮膚炎の状態によく似ています。そうした皮膚にあわせてつくられていますから、アトピー性皮膚炎の皮膚にもより合います。
 それから、化粧品を使用した後はしっかり落とすことを忘れてはいけません。



体質は変えられる?
「体質を変えて、アトピー性皮膚炎を治す」というようなキャッチフレーズで、アトピービジネスをしているところもありますが、今の医学では体質を変えることはできません。そもそも体質とは遺伝的な資質であり、遺伝子操作でもしない限り変えられるものではありません。しかし、症状を軽くするようなコントロールができます。そもそもアトピー性皮膚炎の原因は体質によるものではありません。確かに湿疹ができやすいなどといった皮膚が弱い体質の人はいますが、しかし、その人がすべてアトピー性皮膚炎になっているとは限りません。アトピー性皮膚炎は体質よりむしろ生活環境や、生活の仕方などに関係していると考えられています。



アトピー性皮膚炎は遺伝する
皮膚が弱いなど「アトピー性皮膚炎になりやすい」という遺伝的な体質はあります。しかし、親がアトピー性皮膚炎だから子どももそうなるとはかぎりません。ただ親子は同じ家で、同じ生活環境、生活習慣の下で一緒に暮らしているので、遺伝的なものではなくても同じような体質になっていくとも考えられます。
 なぜならば、親はアトピー性皮膚炎でも、子どもは違うということも少なくありません。遺伝的に皮膚が弱い体質であったとしても、アトピー性皮膚炎になる原因をなくすなど、生活環境に注意して、日常のケアをきちんと行っていくことで、その発症は防ぐことができます。



妊娠したらどうする
妊娠すると体調の変化が起こります。アトピー性皮膚炎の方ですと湿疹がひどくなることもあります。そこで湿疹を隠そうと化粧を濃くしたり、悪化した湿疹におちこんでいるばかりでは、患者さん自身の健康にも、また胎教にもよくありません。妊娠したら細かなことにこだわりすぎたりせずに、前向きにほがらかに毎日を過ごし、生むことに専念しましょう。特別なことをする必要はありません。ごくふつうの生活をして出産に備えてください。


★アトピーの人の入浴剤は

★アトピーの人の石鹸は

★アトピーの人の下着は