アスペルガー症候群はさまざまな原因が絡み合って発症すると考えられていますが、現在のところ、その原因についてははっきりしたことはわかっていません。
ただ、遺伝的な要因がある程度関わっているのではないかと考えられています。
例えば、一卵性双生児の場合は60〜90%の割合で、一緒に発症することがわかっています。一方、二卵性双生児では3〜10%になっており、このことから病気の発症には何らかの遺伝子が関わっているのではと推測されています。
「自閉症は母親の愛情不足」と考えられていた時代もありましたが、現在では親の育て方によって発症することはないということがわかっています。
また、遺伝子的要因と並んでもう一つ考えられているのが、「エピジェネティクス」という考え方です。
これは、子どもが母親のおなかの中にいるときに、母親の体が何らかの形で化学物質の影響を受けて、胎児の脳が発達していく途中で何らかの障害が起こるのではないかという考え方です。
発達障害に関わる化学物質としては、ダイオキシン、環境ホルモンなどがあげられています。
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