耳鳴りの原因、症状、治療

耳鳴りは治るか

耳鳴りは治るか  耳鳴りと仲良くする方法
耳鳴りの治療  耳鳴りの重症度と治療
耳鳴りのセルフコントロール 耳鳴りのための検査
 
耳鳴りは治るか
「耳鳴りは一生治らない」といわれています。しかし、耳鳴りを消失できなくても、耳鳴りがあっても、生活上なんら問題がないようにコントロールすることは可能になっています。
 耳鳴りの大部分は自覚している聴覚障害によって起こるものと考えられています。したがって、その障害が完治しないかぎり耳鳴りも消失しにくいと考えられています。しかし、耳鳴りの原因はすべて解明されているわけではなく、また複数の原因によって起こっている場合もあり、障害自体が治癒しなくても神経や細胞を再生させることで、耳鳴りを改善し、消失させることができる可能性もあります。
 耳鳴りの場合はその消失の目標を、耳鳴りがあっても生活上問題がないようにすること、例えば睡眠がよくとれるようにすることなどです。生活上問題がないというのは、仕事をしているとき、あるいは何かに熱中していれば忘れていられるレベルまで持っていくということです。
 生活上支障をきたしていた耳鳴りをコントロールできたのであれば、それは「治った」といってもいいかもしれません。このコントロールには専門医の指導が不可欠です。
 
  耳鳴りと仲良くする方法
耳鳴りをなかなか消失することができないのなら、少なくても仕事中は忘れていられる状態になればそれでよしと考えるのも大切です。そのためには仕事に集中して耳鳴りが意識に上らないように、できるだけ無視する必要があります。もちろんその前に、耳鳴りが生命にかかわるほど危険な脳の病気などないと保障してもらうことが必要ですが。
 また、耳鳴りがどうしても気になってしまう静かな場所を避け、寝るときは部屋に音楽を流すか、テレビをつけたまま寝るようにする。スイッチを切るのはタイマーか後から寝る人にたのめばいいわけです。
 いったん不眠になると、さらに耳鳴りが気になってますます眠れなくなってしまうので、まずは起床時間や就寝時間など睡眠習慣をしっかり守るようにすること、また日頃から、運動や休息や趣味など生活のすべてにリズムをつけるようにすることが大切です。
 
耳鳴りの治療
高血圧や糖尿病などの生活習慣病はコントロールすることによって悪化するのを防ぎ、また二次的な病気の発症を防ぐことに治療の目標がおかれています。同様に耳鳴りについてもこのコントロールするという考え方が重要です。
 耳鳴りのうちでも特に、以前からあった感音難聴に伴う耳鳴りについては、これを確実に消失させる治療法はまだ見つかっていません。しかし、耳鳴りがあっても日常生活を問題なく送れるようにコントロールすることは可能です。治療はまずこのレベルになることを目標にするのがよいと考えます。もちろん耳鳴りが消失してくれればそれにこしたことはないのですが、なかなか期待できないことが多いのが現状です。
 たとえ耳鳴りがあっても静かな場所にいるときや、意識したとき以外、気にならないというレベルまでコントロールして、その後はしばらく「耳鳴りとともに生きる」ために、耳鳴りに関する説明をきちんと受けて過ごす必要があります。
 耳鳴りがどうしておきるのかは不明ですが、耳鳴りのことをしっかり理解しておけば、少なくとも不安を減らすのには役立ちます。
 
耳鳴りの重症度と治療
耳鳴りがある人といっても、ほとんど無視できて気にせずに生活している人から、気になって仕事も手につかない人まで、実にさまざまです。治療は耳鳴りが苦痛になる程度、つまりその重症度によって異なってきます。重症度の分類にもいろいろありますが、およそ次の4段階に分かれています。

1度・・・無視できる程度の耳鳴り
2度・・・静かな環境にいたり、ストレスや精神的負担が加わった場合にのみ耳鳴りがわずらわしく感じられる
この段階で治療は、まず耳鳴りについてきちんと説明することが大切で、耳鳴りが増強したときには、必要に応じて、抗不安薬などの薬が投与されます
3度・・・耳鳴りが一日中わずらわしく、苦痛に感じ、不安もある
4度・・・耳鳴りのために仕事ができない状態が続いている。不眠もある。
この段階の治療は、臨床心理士による心理療法に加えて、抗不安薬や抗うつ薬が投与されます。併せて、緊張緩和訓練や耳鳴りから注意をそらすための訓練や認知療法を行うこともあります。
 
耳鳴りのセルフコントロール
耳鳴りの治療では「コントロールする」という考え方が重要ですが、そこで耳鳴りをどのようにしてうまくセルフコントロールできるか、その方法と日常生活でのポイントです。

1.耳鳴りをよく理解する
耳鳴りがどうして起こるかについてよく理解し、その背後に危険な病気のないことが十分に理解できたら、まずこの耳鳴りには何の不安もないのだと考えてください。不安がなくなってくれば耳鳴りも気にならなくなってくるはずです。
2.耳鳴りを意識しないように訓練する
何かに熱中していれば、耳鳴りのことを忘れるていること、意識していないことに気づいてください。また耳鳴りが気になる人には、精神的かつ肉体的に疲れているときに特に耳鳴りが大きくなっていること、その疲労にストレスが関係していることに気づき、理解するようにします。つまりストレスが心に負担を与え、その結果、耳鳴りを過度に受取ってしまっているのだと気づく必要があるということです。
3.リラックスする
もし仕事中に耳鳴りが大きくなっていることに気づいたら、仕事を中断して、深呼吸したり、筋弛緩法などをおこなってリラックスするようにします。このようは日はできるだけ早く帰宅して休養し、寝る前にぬるめの湯に入浴してから休むようにします。
4.睡眠障害を治す
睡眠障害が続いている人は医師に相談して、睡眠薬をもらうと同時に睡眠障害の予防に努めます。なかでも、夕食後約2時間したあと約30分間ほど、少し汗ばむ程度の運動をおすすめします。運動によって一時的に上がった体温を急激にさげることによって、快適な睡眠が得られるようになります。また入浴も運動と同じ効果が得られます。
5.ストレスを発散させる
スポーツ、散歩、趣味などによって気分転換をはかるようにします。ストレスをつい溜め込んでしまうのは、自分の性格と関係していることに気づき、対人関係を見直してみることも必要です。また何事も頑張りすぎないようにします。
 
耳鳴りのための検査
耳鳴りの検査は、まず問診表によって耳鳴りの検査を行っていきますが、一般的にはつぎのような手順で行われています。
1.問診
以前から聞こえが悪かったか、それとも最近悪化したのか。
耳鳴りがする前に睡眠不足、不摂生、多忙、心配事、不幸な事件などがなかったか。
血圧、コレステロールの状態や、糖尿病や心臓病などはあるか。などについて詳しく聞かれます。
2.鼓膜を中心とした診察
3.健康質問表、うつ状態問診表などを用いて心理状態、生活上の苦痛度などを調べます。
4.難聴の有無、障害が中耳にあるのか、内耳から脳までの間にあるのか調べます
5.耳の骨が破壊されていないかX線検査や、GT、MRI検査をします。
 
 
 



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