耳鳴りの原因、症状、治療

耳鳴りの原因

耳鳴りとは  耳鳴りはなぜ起こるのか 
耳鳴りは加齢が原因?  ストレスが耳鳴りを引き起こす?
耳鳴りは難聴の始まり?  耳鳴りと聴覚障害の関係は
耳鳴りのある人の割合は   
 
耳鳴りとは
耳鳴りとは耳の中で音が聞こえる状態のことをいいます。音の発生源は耳の中だけでなく、耳の周辺の筋肉の収縮や、血管の雑音にある場合もあります。また、耳ではなく、頭の中で聞こえているという人もいます。これは「頭なり」と呼ばれていますが、耳鳴りと頭なりは本質的には同じものと考えられています。
 つまり、頭なりは両方の耳鳴りが、頭の中で一緒になって聞こえている状態と考えられています。耳鳴りの大部分は頭痛と同じように本人しかわからないため、周囲の人にはその苦しみを理解してもらえないところが多々あります。
 
耳鳴りはなぜ起こるのか
耳鳴りがなぜおこるのかについては多くの説があります。ということは原因がよくわかっていないということでもあります。ただ、原因がわかっていないとはいっても、外耳から大脳皮質までの聴覚路のどこかに原因があって、何らかの異常刺激が起こっているためというのは間違いないと考えられます。
 最も多いのは内耳に関係したもので、難聴が耳鳴りの原因になっているというものです。近年では耳鳴りは脳で起きているという説もあります。
 
耳鳴りは加齢が原因?
高齢者になればなるほど耳鳴りを訴える人が多いことはよく知られていますが、ではなぜ、耳鳴りを訴える人が多くいるのでしょうか。これは個人差も大きく、高齢になると全員耳鳴りがするようになるわけではありません。
 聴覚の加齢による変化は、耳の蝸牛のなかにある音を受ける感覚細胞、音を伝える神経、細胞に酸素を送る血管の老化と脳の加齢変化などによっておこるものです。また、人によって個人差があるのは、遺伝的要素や蝸牛内の細胞や神経や血管の変化の程度のほか、これまでの病歴などによって異なってくるなど、さまざまな要因が関係していると考えられています。
 
ストレスが耳鳴りを引き起こす?
ストレスが直接耳鳴りだけを引き起こすかどうかについては、まだ確かな根拠はありません。ただ、ストレスが続くと自律神経障害が起こり、血管が収縮するために首の筋肉の緊張が高まり、肩こり、めまい、耳鳴りなどを引き起こすことがあります。
 もう一つ考えられるのは、耳鳴りに対する不安がストレスとなって、さらに耳鳴りを悪化させるというケースです。特に危険のない耳鳴りだという説明がないかぎり、患者の不安がとり除かれることはありません。ただ、ストレスに対する心理的反応には個人差があること、耳鳴りがストレスの言い訳にされることがあることについても、理解しておく必要があります。
 
耳鳴りは難聴の始まり?
これまで耳鳴りの経験がなく、初めて耳鳴りになった人は、きっとさまざまな不安にとりつかれるに違いありません。頭の中で何か危険なことが起こっているのではないか、耳が聞こえなくなる前ぶれではないのか、などと大変心配になります。
 耳鳴りを自覚するようになったら、程度の差こそあれ、すでに聴覚障害があると考えたほうがいいでしょう。必ず耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。
 また、加齢によるものではなく、急に聞こえが悪くなる突発性難聴や、メニエール病や聴神経腫瘍、その他の原因によって内耳性難聴が起こる場合もあります。このようなときにおこる耳鳴りは難聴の前兆だと考えて間違いがないので、耳鳴りが急に始まったときはすぐに耳鼻咽喉科を受診するようにして下さい。何よりも早く治療を始めることが重要です。
 
耳鳴りと聴覚障害の関係は
耳鳴りと聴覚障害はセットで生じることが多いのですが、耳鳴りがあっても必ずしも難聴が自覚されているとは限りません。つまり難聴だと自覚されない程度の聴覚障害も多くあるということです。
 しかし、仕事を引退した高齢者のなかには、ふだん家族など限られた人としか話していない人も多く、周りの人たちが注意して大きな声で話すようにしていれば何の不自由も感じないために、たとえ難聴になっていたとしても本人は難聴だと思っていないことも多く、また、たとえ耳が聞こえにくくなっていても人にはあまり知られたくないので、難聴をなかなか認めたがらない人もいます。
 なお、片耳だけが特に聞こえにくいというケースは、加齢によるものだけではありません。この場合は一度耳鼻咽喉科で原因を調べておく必要があります。
 
耳鳴りのある人の割合は
高齢者にとって難聴は頻度の高い病気です。耳鳴りも難聴に伴って起こることが多いので、その頻度も当然高齢になれば多くなります。耳鳴りは一般的には50代、60代の男性に多くみられます。男性が女性より若干多いのは、男性の方に難聴者が多いことを反映したものです。
 しかし、小児の場合、耳鳴りがあっても、それが普通の現象だと思って訴えない人が多いこと、成人でも年をとれば耳鳴りがするのはあたりまえだと思ってそのまま放置している人などもあって、耳鳴りの人がどれくらいいるのかは、なかなかむずかしいようです。
 ちなみに、アメリカでは45歳以下では1%の人に、65歳以上では9%の人にみられるという結果があります。
 また、片方の耳だけというより、両耳とも耳鳴りのする人の方が多いようです。その理由の一つとして、加齢に伴う難聴は両耳とも同じように障害になるという特徴と関係しています。片側だけ耳鳴りがするという場合は左耳に多いとされていますが、その理由はまだよくわかっていません。
 
 



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