腰痛、ぎっくり腰でお悩みの方へ。腰痛の基礎知識・治療法・・・

腰痛・ぎっくり腰の治療(治し方) 

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さまざまな治療方法

 腰痛の治療法は大別すると2つあります。1つは手術による治療。もう1つは手術をせずに治す「保存療法」です。腰痛の患者さんの90%は保存療法で症状が軽快しているとされています。手術を行うのは、重症の場合を除き、保存療法で腰痛が改善されない場合の手段として検討されます。


腰痛の保存療法とは

 腰痛の保存療法には「日常生活の改善」「薬物療法」「理学療法」「ブロック療法」「運動療法」があります。保存療法で重要なことは、起きているときだけではなく、寝ているときも24時間腰痛と上手に付き合うことです。実際には筋力の強化などを行う運動療法が中心になりますが、ほかの療法と組み合わせて行うことが腰痛改善の近道といえます。

日常生活の改善

 毎日の生活における動作や姿勢の改善は、治療になるとともに予防や再発予防にもなります。


正しい姿勢

 日常生活の見直しで重要なポイントは「正しい姿勢」です。特に腰椎分離すべり症の方は腰椎が前彎した姿勢をしており、この姿勢を改善するだけで腰痛などの痛みが軽くなるというケースが少なくありません。正しい姿勢とは、肩の力を抜いてお腹を軽く引き締め、腰を反り返させず、自然に背筋を伸ばした状態です。背筋が伸びているかどうか、壁に背をつけて確かめてみましょう。

車を運転するときの姿勢

 車に乗るときにはお尻から車内に入り、シートに腰を下ろします。頭から車の中に入って座るより、腰に負担のかからない乗り方です。座席に手をかけてから腰をおろすとよいでしょう。降りるときも手をシートに添えて体を浮かしぎみにして動かせば、腰への負担が軽くなります。運転中の姿勢はハンドル操作の邪魔にならない程度に体を前に出し、ひざが股関節より高くなるように調整します。同じ姿勢を長時間続けると背筋に大きな負担がかかります。車からときどき降りて体操をするなど体を動かすようにしましょう。


腰をいたわる日常の動作

立ち仕事のとき

立ったままの姿勢を続けていると。腰の筋肉の疲労が起きるだけでなく、腰を支える関節(椎間関節)にも負担がかかります。そこで片足を1015cmくらいの高さの台に乗せると。腰椎の反りが軽くなって、立っていても腰にかかる負担が減り、疲労が起りにくくなります。
イスに座るとき

座ったときに股関節が膝関節より高くなると、腰の返りが強くなり、椎間関節に負担がかかって腰痛を起こしやすくなります、股関節や膝関節がほぼ90度に曲がった状態になるよう、イスを調整してください

くつ下やズボンをはくとき

立ったまま行うと、片足を上げた状態なので不安定になりやすく、腰に負担がかかります。イスに座って行うようにしましょう。

物を持つとき

床から物を持ち上げるときに、ひざを伸ばし、腰を曲げたままの姿勢では腰に多くの負担をかけます。物が重ければ重いほど、負担もさらに大きくなります。物に出来るだけ近づき、必ずひざを曲げた状態で持ち上げましょう

髪を洗うとき

低い浴用イスに座って、前かがみの状態で髪を洗う動作は、腰に大きな負担をかけます。高めのイスにして上半身を起こした姿勢をとりましょう

背伸び姿勢

背伸びをすると余計に腰をそらすので腰痛の原因になります。洗濯物を干したり、高いところに物を上げたりするときは、台を使いましょう。


腰にいい寝方、寝具

 あお向けに寝ると、腰の返りが大きくなるので腰に負担がかかります。それでも長年の習慣であお向けが一番寝やすい寝相であるならば、両足をまっすぐ伸ばすのではなく、ひざの下に枕や座布団などを入れて下さい。腰の下に枕などを入れると腰椎の反りがより大きくなりますので気をつけましょう。

また、うつぶせ寝も脊柱の反りが強くなります。腰痛にいい寝方とは横向きになり背中をえびのように丸め、ひざを曲げた姿勢がおすすめです。


腰にいい寝具

 寝具については、マットレスや敷布団は軟らかすぎると腰が沈みこみ反りやすくなるので避けたほうがよいでしょう。寝返りを打つときも、軟らかすぎると腰に負担がかかりやすくなります。そのため、比較的硬めの寝具がすすめられますが、硬すぎても背中や腰に負担がかかります、ベットと布団のどちらが腰痛に良いのかは一概にはいえません、その人の好みでよいと思います。ただ、起き上がりには、床からの高さがあるベッドのほうが腰の負担は少ないでしょう。


腰痛のときの起き方

 腰が痛いときは、いきなり起き上がらず、ゆっくり体を起こしていくのがポイントです。まず、仰向けになっている場合は横向きになります。そして下になっている腕のひじに体重をかけ、腰をできるだけうごかさないようにして上体を起こします。そしてひじを伸ばし、両腕で上体を支えて起き上がります。


薬物療法

 患者さんの症状に応じて薬が用いられます。痛みの軽減に消炎鎮痛剤を服用したり、緊張した筋肉をほぐすために筋弛緩剤を用いたりします。また、血管を拡張して神経の血流を増やし、症状を改善する目的で血流改善剤も用いられます。そのほか、総合ビタミン剤やステロイド剤、抗うつ薬が使われることがあります。


腰痛に用いる薬

 消炎鎮痛剤を用いても腰痛改善の効果が十分ではない場合、筋弛緩剤や血流改善剤が処方されることがあります。筋弛緩剤は、痛みのために筋肉が緊張した状態に対して緊張を和らげ、血流を改善する作用があります。血流改善剤は血流を改善し神経への血流を増やすことで痛みを改善します。

そのほかビタミンB12は神経組織を障害から回復させるのに有効とされ、抗不安薬や抗うつ薬は心や体をリラックスさせる目的で用いられることがあります。また骨そしょう症など、原因となる疾患が伴う場合は原因疾患の治療薬が処方されます。


理学療法

 理学療法には、温熱療法、電気療法、索引療法、コルセットなどの装具療法、マッサージなどがあります。

温熱療法

 温めることで血流を良くし。また筋肉の緊張をほぐすことで痛みを和らげる効果が期待されます。暖める方法として、病院では赤外線、超音波、ホットバックスなどが使われます。家庭では蒸しタオル、カイロ、入浴などが簡単に出来る方法です。特に入浴は、痛む部分だけでなく全身をあたためることができるので、全身の血行をよくする働きがあります。


電気治療

 腰痛になると身体の奥の方まで筋肉が硬くなって関節の動きも悪くなっています。効果的に腰の奥の筋肉を緩める事が出来るのが電気治療です。

電気治療には、大きく分けると三種類あり、低周波刺激(SSP)、中周波(EMS)、干渉低周波による治療が行われています。電気治療により腰痛が改善するのは、主に筋肉疲労が原因の腰痛で、ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症には効果がありません。


牽引治療

 牽引治療は、骨盤に器具をつけてつま先方向に引っ張り、脊柱を伸ばすものです。椎間板への負担を軽減し、腰臀部の筋肉の緊張を和らげる効果があります。また神経根の炎症を沈静化させるので下肢痛やしびれなどの改善にも有効で、マッサージ的効果もあり、心身のリラックスが図られます。牽引力は腰痛の場合、体重の3分の1くらいが目安とされ、1520分間断続的に牽引します。

 間欠牽引と弱い力で数時間牽引する持続牽引があり、前者は通院治療で、後者は入院治療で行われます。牽引治療が一番適しているのは下肢症状の強いときです。変形や骨祖しょう症が著しい場合、急性の障害や炎症のある場合など、症状や時期により、かえって痛みが強くなる可能性もあるので注意が必要です。


装具療法

 脊椎の矯正や椎間板にかかる負担軽減を図るために、コルセットや腰痛ベルトなどの装身具を使用することがあります。患者さんも装具を着けることで安心感が得られるようですが、長時間の装着が筋肉の低下を招く原因にもなります。コルセットなどを使用するときは、必ずはずすことを念頭において使うようにしてください。


コルセットの効果

 腹部のコルセットを着けることで腹圧が高まり、腰椎に加わっていた負担を軽くすることが出来ます。

 しかし、長時間にわたって装着していると、腹筋や背筋などを使わないために脊柱の働きが制限されたり、筋力が低下したりして、二次的な腰痛が生じてしまう原因になることもあります。コルセットを着けるときは、痛みがあるときだけにして、軽くなってきたら、少しずつはずすようにしましょう。


腰痛とマッサージ

 マッサージは行う時期が重要です。特に、ぎっくり腰発生時には要注意です。マッサージは「なでる、さする」という動作によって、リラックス効果を体にもたらすものです。それには快適に感じるくらいの強さで行うことがポイントですが、腰痛のあるときに行うマッサージは、時期を考慮して行うことが重要です。

 例えば、よく見られるトラブルは、ぎっくり腰になった直後のマッサージです。ぎっくり腰は筋肉の損傷が生じている状態ですので、体内ではタンパク質を集めて損傷した組織を修復しようとしています。

 しかし、その部位に外から力を加えてしまうと修復できず、逆に症状が強くなってしまうことがあります。このような急性の腰痛は安静にしているのが一番でマッサージは避けましょう。骨粗しょう症および腰椎の変形がある場合も同様です。また、整体などでゴリゴリと押すマッサージも症状を悪化させるおそれがありますので注意して下さい。


ブロック療法について

 腰椎椎間板ヘルニアのときに行われる注射には、トリガーポイント注射、坐骨神経ブロック、硬膜外ブロック、神経根ブロックなどがあります。腰の筋肉や、神経の周囲に麻酔薬やステロイド剤を注入して、神経伝達路を遮断(ブロック)することにより、痛みを抑えるものです。即効性があるとともに、何回か繰り返すうちに、炎症が軽快し、痛みが消失することもあります。ただし、ヘルニアそのものを小さくする方法ではありません。

トリガーポイント注射とは、脊柱の両脇の脊柱起立筋などの部位で、押して痛みを感じるところに麻酔薬を注入する方法です。

 坐骨神経ブロックとは、坐骨神経の走行に沿った圧痛点を探し、その周辺に局所麻酔剤を注入することによって痛みを和らげる治療です。

 硬膜外ブロックは、脊髄を取り囲んでいる硬膜の外側に麻酔薬やステロイド剤を注入します。トリガーポイント注射や坐骨神経ブロックで効果がみられない場合などに行いますが、いずれも直接的に神経に薬が達するわけではないので、効果には限界があります。 神経根ブロックは、ヘルニアにより圧迫を受けている神経の枝に、選択的に薬を注入する方法です。レントゲン画像をモニターで見ながら、標的の神経根を見定めて、薬を注入するものです。そのため、手技に精通した医療機関でなければ行うことができません。

運動療法

 運動療法は腰を支える筋肉を強化したり、関節の可動域を広げたりする目的で行います、特によい姿勢を維持するには、腹部と背筋をバランスよく鍛えることが大切です。無理がないよう急性期など痛みの激しいときを除いて、自分の状態に応じた運動を持続して行うように心がけて下さい。さらにウォーキング、水中ウォーキングなども取り入れるとよいでしょう。


ウォーキング

 ウォーキングにより全身の血行が促進され、硬くなった筋肉がほぐれてくるので、ウォーキングは腰痛の予防や改善に向いています。また、腰への負担が軽く、いつでも、どこでも気軽に出来る点でも有効です。1日1万歩が目安とされていますが、まず30分を目標に生活の中に少しずつとりいれていきましょう。

 しかし、ぶらぶら歩きでは効果はあまり期待できません。正しいフォームで歩かなければ腰に負担がかかることもあります。背筋を伸ばし、腹部を引っ込めた姿勢を保ちましょう。歩行は水平方向への動きなので、重力に対して体を支える筋肉に対する効果はあまり期待できません。ウォーキングとともに筋力トレーニングにも行ってください。


効果的な水中ウォーキング

 水中ウォーキングは全身の筋肉をほぐすので、腰痛の改善には効果的な運動です。水の浮力により腰や関節への負担がなく、さらに抵抗力を受けながら行うことで、筋力アップが期待できます。後ろ向きに歩いたり、ひねりを加えたりなど、全身以外の歩き方が出来ますので、腰回りの筋肉強化にも役立ちます。

 ウォーキングも同様ですが、水中ウォーキングのよい点は、自分の意思で行えること。負荷を増やしたければ早く歩くようにすればよいですし、ひねりを加えるのも自分の体の状態に合わせてその程度を決められます。自分の体に声を素直に聞き、無理のない範囲で少しずつ負担を増やしてください。


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