腰椎椎間板ヘルニアの治療は、保存療法といわれる温熱療法や牽引療法、電気療法や鎮痛剤などの薬物療法で行われます。手術をしなくても70〜90%の人の症状はよくなっています。手術が必要なのは、痛みが数ヶ月たっても治らなかったり、尿や便が出ないなどの膀胱直腸障害や、まひがみられたりする場合に限られます。
または、症状が少しはよくなっても、仕事に支障をきたすために手術を受けるといったケースもあります。ヘルニアは、比較的働き盛りに多い病気なので、社会的理由で手術を選ぶ人も少なくありません。
手術によりヘルニアを摘出し、神経の圧迫が取り除かれれば比較的早く痛みは治りますが、多くの場合、時間が経過することにより縮小したり消失したりすることが認められています。
ですから、緊急に手術を必要とする場合以外は、保存療法で自己治癒力により症状の経過をみることになります。いずれにしても、専門医とよく相談しながら治療法を選択していくのがよいでしょう。
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