うつ病の人は、病気のつらさや将来への絶望感から自殺を図るおそれがあります。家族の方は患者さんの言動に十分な注意を払うようにします。
特に、発病の初期と、病気が治りかけてきた回復期には注意が必要です。回復期には、周囲もほっとして観察の目をゆるめがちですが、この時期こそ自殺の兆候をみのがさないようにしてください。
たとえば「このまま生きていてもしかたがない」「こんな自分では周りの負担になるだけだ」など、自殺をほのめかすような内容を口にしたときには医師に相談が必要です。
また、部屋にこもったままでてこない、食事をしない。家族とも口をきかない、大量にお酒を飲む、急に吹っ切れたように明るくなったときなども、背後に自殺への思いがひそんでいることが少なくありません。さらに、刃物や毒物、ひもなどを探している、大切なものを人にあげて身辺整理を始めようとしたときは相当さしせまった状態といえます。すぐに医師に連絡して自殺をとどめる対策をとうろうにしなければなりません。
|