うつ病はよく「こころのかぜ」と表現されます。たしかにうつ病は、こころの病気の中では患者数のきわめて多いものの一つです。世界保健機構が発表した有病率では、世界の全人口の3〜5%と推計されています。
うつ病はどの世代にも起こりますが、その中でも発症しやすいのは女性が男性よりも多く、男女とも40歳代の後半から60歳代にかけてピークがみられます。これは日常的に最もストレスにさらされやすい世代といえましょう。出世競争、昇進に伴うプレッシャー、こどもの進学、老親の介護・・・ストレスの種をあげればきりがありません。
うつ病は健康診断などの検査で、何か異常が認められるわけではありません。専門医の診察を受けないかぎり、本人も周囲もなかなか発症に気づかないものです。
うつ病は慢性化すると、回復までに長い時間を費やすことになりかねません。最近では、社会のうつ病に対する理解が深まり、積極的に受診する人が多くなったことも発症人口が増加した一因でしょう。
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