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 チックをする子にはわけがある―トゥレット症候群の正しい理解と対応のために (子育てと健康シリーズ)
チック症(トゥレット症候群)の治し方
 
 
チック症とは
 
 チック症とは乳幼児期から学童期にかけ、10人に1〜2人が体験するといわれる、まばたき、顔をしかめる、首を振る、肩をすくめるなど、一見すると普通の癖のように見える神経疾患です。これが慢性化して重症化するとチック症と診断されます。また、チック症が重症化した慢性多発性のチック症はトゥレット症候群と呼ばれ、学童、思春期に比較的多くみられます。

 チックの症状は運動チックと音声チックに分かれます。またそれぞれは単純チックと複雑チックに分かれます。

 運動チックは、すばやくて短い、体の一部に起こる不規則な、しかも連続して起こる動きです。主な症状はまばたき、目を動かす、顔をしかめる。首を振るなどです。また肩をすくめるチックもあります。これらは目的のある動作とは異なり、ひとつの筋肉に限った単純な動きであり、単純運動チックと呼ばれます。

 それに対して、上肢、下肢を動かす、跳ぶ、スキップをするなど、ごく普通の動作ともみられる複数の筋肉を使った動きもあります。これは複雑運動チックと呼ばれます。

 音声チックにも単純チックと複雑チックがあります。単純音声チックは咳払いや「あ」「ん」などの発声が、複雑音声チックには単語、文節を発するなどがあります。この際、きたない言葉が見られることも特徴のひとつです。

 これらの運動および音声チックは、いずれも自分の意思と関係なく、突発的に起こり、しかも同じ動き、発声をくりかえすことも特徴のひとつです。

 チックは不安や精神的緊張があるときに増強する傾向があります。何かを夢中になってやっているとき、学校で勉強に集中しているときは減少し、気楽にテレビなどを見ているときに出現しやすくなるなど、本人の精神的な状態で変動することも特徴です。

 チックの症状は大人になるにつれ普通は自然と消失しますが、思春期まで続いて生活に支障がでる場合もあります。チック症のうち運動チックと音声チックの両方が多様に現れ、それが一年以上続くと「トゥレット症候群」と呼ばれます。

 トゥレット症候群でも、90%が成人期の始まりまでに消失するといわれていますが、少数には成人まで重症なチック症状が続いたり、また成人後に再発することがあります。トゥレット症候群は脳内の神経伝達物質の異常とみられますが詳しい原因は分かっていません。
 


チック症の種類
 
  チックの症状は運動チックと音声チックに分かれます。またそれぞれは単純チックと複雑チックに分かれます。

 運動チックは、すばやくて短い、体の一部に起こる不規則な、しかも連続して起こる動きです。主な症状はまばたき、目を動かす、顔をしかめる。首を振るなどです。また肩をすくめるチックもあります。これらは目的のある動作とは異なり、ひとつの筋肉に限った単純な動きであり、単純運動チックと呼ばれます。

 それに対して、複雑運動チックは、体のいろいろな部分が一緒に動くチックであり、顔の表情を変える、飛び跳ねる、人や物にさわるなどがあります。

 音声チックにも単純チックと複雑チックがあります。単純音声チックは咳払いや「あ」「ん」などの発声が、複雑音声チックは状況に合わない単語や語句のくり返しが一般的です。特異的な複雑音声チックとしては、卑猥な単語を言ってしまう。自分の話したことや、ほかの人の言ったことをくり返すという特徴があります。

 これらの運動および音声チックは、いずれも自分の意思と関係なく、突発的に起こり、しかも同じ動き、発声をくりかえすことが特徴です。
 


チック症には一過性と慢性がある
 
  チック症は、チックがほとんど毎日のように起こる期間が1年以上か、それ以下かによって一過性と慢性に分けられます。

 慢性チックは、運動性チック障害と音声チック障害、そしてトゥレット症候群の3つに大きく分けられます。

 一過性チック症とは、チックの持続が1年未満のチック症であり、チックの種類は、運動チックだけや音声チックだけ、または両方ある場合もあります。一過性チックは6〜7歳ころにもっともよく見られます。目をパチパチさせたり、キュキューッとつぶったりするのが数ヶ月目立っていたのが、いつの間にか消えていたというのが典型的な症状です。

 慢性チックは、慢性運動チックまたは慢性音声チックが1年以上続いた場合に慢性といわれます。大人になっても、日常的にまばたきが目立つ人、体の病気がないのに、しょっちゅう咳払いをくり返す人の中には、慢性チック障害の疑いがあります。

 トゥレット症候群とは、運動チックおよび音声チックの両方が多様にあらわれ、それが1年以上続くチック症のことです。