HOME  
 チックをする子にはわけがある―トゥレット症候群の正しい理解と対応のために (子育てと健康シリーズ)
チック症(トゥレット症候群)の治し方
 
 
チック症には一過性と慢性がある
 
 チック症は、チックがほとんど毎日のように起こる期間が1年以上か、それ以下かによって一過性と慢性に分けられます。

 慢性チックは、運動性チック障害と音声チック障害、そしてトゥレット症候群の3つに大きく分けられます。

 一過性チック症とは、チックの持続が1年未満のチック症であり、チックの種類は、運動チックだけや音声チックだけ、または両方ある場合もあります。一過性チックは6〜7歳ころにもっともよく見られます。目をパチパチさせたり、キュキューッとつぶったりするのが数ヶ月目立っていたのが、いつの間にか消えていたというのが典型的な症状です。

 慢性チックは、慢性運動チックまたは慢性音声チックが1年以上続いた場合に慢性といわれます。大人になっても、日常的にまばたきが目立つ人、体の病気がないのに、しょっちゅう咳払いをくり返す人の中には、慢性チック障害の疑いがあります。

 トゥレット症候群とは、運動チックおよび音声チックの両方が多様にあらわれ、それが1年以上続くチック症のことです。
 


チック症の種類
 
  チックの症状は運動チックと音声チックに分かれます。またそれぞれは単純チックと複雑チックに分かれます。

 運動チックは、すばやくて短い、体の一部に起こる不規則な、しかも連続して起こる動きです。主な症状はまばたき、目を動かす、顔をしかめる。首を振るなどです。また肩をすくめるチックもあります。これらは目的のある動作とは異なり、ひとつの筋肉に限った単純な動きであり、単純運動チックと呼ばれます。

 それに対して、複雑運動チックは、体のいろいろな部分が一緒に動くチックであり、顔の表情を変える、飛び跳ねる、人や物にさわるなどがあります。

 音声チックにも単純チックと複雑チックがあります。単純音声チックは咳払いや「あ」「ん」などの発声が、複雑音声チックは状況に合わない単語や語句のくり返しが一般的です。特異的な複雑音声チックとしては、卑猥な単語を言ってしまう。自分の話したことや、ほかの人の言ったことをくり返すという特徴があります。

 これらの運動および音声チックは、いずれも自分の意思と関係なく、突発的に起こり、しかも同じ動き、発声をくりかえすことが特徴です。