摂食障害(拒食症と過食症)についてわかりやすく解説しています。

摂食障害の精神症状

看護婦さん

摂食障害のもっとも大きな特徴は、異常な食行動です。拒食症は極端に食べる量が少なかったり、食べては排出行動を繰り返したりします。過食症では、とにかく大量に食べます。そのあと、おう吐や下剤乱用を繰り返します。

 

これらは病気ですから、本人にとっては大変つらいことです。単なるヤケ食いと違って、自分で自分の食行動がコントロールすることができません。

 

心とからだは密接につながっています。食欲や食行動も同じように、必要に応じて空腹を感じたり、食事をすると満腹感を得られるようにしくみになっています。

 

ところが、極端な食事制限や過食やおう吐を生じると、体重が極端に減ったり増えたりして、それが脳に悪影響を与えて、空腹感や満腹感を感じにくくなったり、精神的にも変化を生じたりするようになります。


拒食症の人の苦しさ

拒食症の人は、極度にやせているのにやたら活動的になります。また、少し食べるだけでお腹が張っている感じになります。減量のために過度の運動をしたりしてカロリーを消費します。

 

そして、日常生活や社会生活に支障がでるようになると、不安感を抱くようになります。自分ではこれではいけないと思っても、食べると太ってしまうのではないかという不安と恐怖で食べる量を増やすことができません。

 

精神的には、抑うつ気分が強くなり、生きていてもしかたがないと思ったり、細かいところにこだわることが多くなり、体重やカロリーにこだわったりするようになります。そして、外出を嫌って閉じこもりがちになり、人と一緒に食事をすることもできなくなります。

過食症の人の苦しさ

過食症の場合は、一度食べだすとトコトンまで食べなければ気がすまないようになるため、おう吐や下剤で体重が増えないようにします。

 

自分に対して強い嫌悪感や、情けなどを感じて苦しむ人が多く、さらに無気力になったり、うつ状態になったりして、うつ病になることもあります。

 

摂食障害は、体だけでなく心にも悪影響をおよぼします。体重が減って栄養失調のような状態が続くようになると、精神的に不安定になって本格的に心の病気が併発して社会生活が困難になります。

 

そして、性格のマイナス面が目立つようになり、衝動的で我慢ができなくなったり、いつも不安や恐怖を感じていたりしていて本人は大変苦しみます。