嘔吐への対応は
過食による嘔吐を敵視する必要はありません。食べ物を吐いてしまうでは、からだに栄養が取り入れられないと考えられますが、食べたものを完全に吐いてしまうわけではなく、実際はなんらかの栄養を摂取しています。嘔吐のための過食は患者の命をつないでいる場合もあるのです。
また、その他の問題行動と同じく、本人は嘔吐しているとき、罪悪感を抱きながらも非常に大きな快感を得ています。
過食と嘔吐が患者さんのストレスの解消になっていることも否定できませんので、心の安定のためにある程度認めなければなりません。
しかし、過食や嘔吐自然なことではありません。治すことは治療の目的の一つです。では、どのようにすればいいのでしょうか。
「気を紛らわす」
過食衝動は大変強いものですが、それほど長く続くものではありません。衝動が最も強い時間、せいぜい30分くらいのあいだ、何かに没頭することによって、比較的軽い衝動ならばやり過ごすことができます。テレビゲームでも読書でもカラオケでも何でもいいのです。
「期間を決める」
1日あるいは2日など、期間を決めて過食を我慢します。ただがまんするのではなく、その期間が終わればまた過食をしていいと考えることが重要です。
そうして過食をがまんした時、どんな心の変化が現れるかをしっかり見据えるようにします。患者さんが何に悩んでいるか、おぼろげながらでも気づくかもしれません。
いずれにしても、一度の完全に治そうとするのではなく、まず1日の回数を少しでも減らすことを心がけ、少しでも回数が減ればその努力を認めるようにします。
摂食傷害のいろいろな疑問 |
過食症は必ず治りますが、治るまでに、ある程度の時間が必要です。
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摂食障害にもなりやすいタイプとなりにくいタイプがあります。
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摂食障害の万引きの原因は、親にもっと注目されたいという気持ちの現れです。
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一般に摂食障害の人はお金に執着するようになります。
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嘔吐への対応は「気を紛らわす」「期間を決めて過食を我慢する」ことが重要です。
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摂食障害になると他人が何をどれくらい食べているかが、つねに気になるようになります。
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摂食障害は遺伝する病気ではありません。
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過食症の人は空腹だから過食するのではありません。心理的な動機によって過食します。
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摂食障害は一度摂食障害を経験したことで本人も成長しており、治ったあとに再発のことを心配する必要はありません。
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病気が軽快して社会復帰できる段階になってくると、自然に正常な生活ができるようになります。
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摂食障害は女性特有の病気と考えられていました。しかし、最近では、男性の人も少なくありません
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摂食傷害、治療の費用は?
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