毛、皮膚のケア
老猫にとっては、シャンプーはかなりの負担になります。抵抗力がおちているため風邪をひきやすく、体調を崩す引き金にもなりかねません。とはいえ、年をとるほどに毛づくろいなどをしなくなるため、見た目には汚れてくることもあります。そんなときには温タオルを使って清潔にしてあげましょう。
まずはブラッシングで汚れを落とす
温タオルの前に、ブラシやコームで汚れを落とします。軟らかい感触のものを選んで、頭の方からしっぽの方に向かって、優しくマッサージするようにブラッシングします。毛玉ができていたら、ブラッシングすると痛いので、先にカットしたり、ほぐしたりしてあげます。
皮膚を刺激することで血行をよくし、新陳代謝を活性化させる効果もありますし、体を触れることで腫瘍などの早期発見につながることもあります。
温タオルで拭く
お湯でしぼるか、濡らしたタオルをレンジで温めて、やけどをしない程度の温度で猫の体を優しくなでてあげます。目やにや口元、お尻の汚れもそっと拭きとってください。その後は毛の表面を濡らしたことで湯冷めの心配がありますので、乾いたタオルで拭きとってあげましょう。
口のケア
歯周病予防のために、歯垢、歯石を除去します。若いうちからガーゼや猫用歯ブラシでの歯磨きを習慣づけましょう。液体やゼリータイプの歯磨きも市販されています。
動物病院での歯石とりは、全身麻酔を使うことが多いようです。体力の弱った高齢猫には危険がともないますので、獣医さんとよく相談してください。口臭がひどかったり、食事中に痛がるようだったら、すぐ病院につれていきましょう。
耳のケア
耳の穴をのぞいて茶色く汚れていたら、ベビーオイルなどを塗った綿棒でやさしく拭いてあげましょう。奥まで入れずに、見える範囲だけにしておきます。首をふったりして、耳がかゆがるようなら、耳ダニなどの可能性もありますので病院で診てもらうようにしましょう。
目のケア
年をとって毛づくろいをしなくなると、顔を前足で洗うこともしなくなるので、目やにをつけたままでいることが多くなります。そのままにしておくと固まってしまい、取る時に猫が痛がるので、気がついたら早めに取り除くようにします。ホウ酸やぬるま湯などで湿らせたティッシュやガーゼで優しく拭いてください。
爪のケア
爪とぎをしなくなるので、伸びっぱなしになった爪が肉球に食い込んで出血してしまうことがあります。痛がったり、おかしな歩き方をしていたら、まずは爪に異常がないかチェックをしてみてください。
また、あちこちに引っかけてしまい危険でもあるので、こまめに爪切りをしたり、汚れもとってあげましょう。爪切りは、猫をひざの上に乗せて足を軽く持ち、爪の根元を押さえて爪を出し、先端の透明の部分だけを切ります。
よく見ると血管が通っている部分があるので、そこまで切ってしまわないように気をつけてください。年を取ってくると、爪の透明な部分も白っぽくにごってきます。
スキンシップでボディチェック
毎日やさしく声をかけ、ストレスにならない程度に抱っこしたり、体をマッサージしたりして、スキンシップを兼ねたボディチェックをしましょう。どこか痛がったり、しこりがあったりすればすぐに病院へいきましょう。
やせ具合や、便秘などでおなかがぽっこりしていないかなどもチェックしてください。便秘気味でおなかが硬くふくれている場合は、軽度のものであれば、やさしく円を描くようにおなかをなでてあげることで便意がうながされることもあります。ただし、あまり強く押さないこと。また、重症の場合には病院に連れて行ってください。
ボディチェックもかねて、なでたり、話しかけたりと毎日愛情をたっぷり注ぐことが、なんといっても長生きの大切な要素です。
定期健診に連れていこう
7歳を過ぎたら定期的に健診に連れていきたいものです。老猫のほとんどがかかっているといわれる腎臓病などは、見た目には調子が悪くなるのが遅く、気づいた時には手遅れだったということも多い病気です。健康そうでも、体の中でひそかに進行している病気があるかもしれません。
極端な病院嫌いで、過大なストレスになる場合を除き、半年に一度は病院で診てもらうように習慣づけておくと病気の早期発見にもつながり安心です。
また、日ごろから、かかりつけの動物病院の休日や、平日の診察時間を確認して、緊急時のために備えておきましょう。
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