猫の食事
 
 

 猫はもともと肉食動物       
 食事の与え方
 量とカロリーの目安
 フード選びのポイント
 子猫の食事
 成猫の食事
 老猫の食事
 猫に食べさせてはいけない物
 肥満猫にならないために
 毛玉を吐かせるには






猫はもともと肉食動物

 猫はもともと肉食動物です。肉に含まれる栄養素の代表はタンパク質です。その中でも特に重要なのはタウリンというアミノ酸で、体重あたりの必要量は人間の5〜6倍です。他には、骨をつくるカルシウム。ビタミンではAとB1を最も必要とします。

 
これらがバランスよく含まれるのは総合栄養食です。総合栄養食には缶詰などのウェットタイプや粒状になったドライタイプ、袋入りのレトルトタイプがあります。これらにかつおぶしをかけたり、2種類ミックスしたりして、ネコの好む味をつくりましょう。成長期や授乳中などは、栄養価の高い卵やゆでた鶏肉をくわえてアレンジするのもいいでしょう。



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食事の与え方

 猫は本来、ちょっとの量を回数多く食べるものです。できれば1日のフードの量は、少量ずつ何度かに分けて与えるのがベターです。

 一度に多く食べられない食が細いや、体が大きくエネルギーが多く必要なネコは、この少量頻回の食べ方が向いています。

 そうすることで、時間、量、回数を決めてフードを与えることで、うっかりあげ過ぎや。が食べすぎで太るのを防げます。

 とはいえ、食事の時間や回数は飼い主さんの都合もありますので、たとえば1日に朝夜2回だったのを、朝夕夜の3回にするなど、いろいろ工夫をしてあげましょう。



総合栄養食とは
 総合栄養食とは、そのフードと水だけで猫の健康状態が維持できるように。栄養とエネルギーのバランスで作られているフードです。消化吸収されやすく、体内で効率よく使われることも考慮され、毎日の主食として与えるのに適しています。


与える量をはかりで量る
 目分量でフードを与え続けていると、カロリーオーバーによる肥満や、逆に栄養不足になるおそれもありますので、フードのパッケージの表示を見て、ネコの体重に応じた量をはかって与えましょう。

 体重が維持できればそれが適量です。増減があったら、フード量を少しずつ加減します。なお、毎日量らなくても、カップなどにつけた印の目分量でも同じです。




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量とカロリーの目安

 猫の食事の適正カロリーは、体重1kgあたり約80kcalです。一般的な成の体重はオスで5kg近く、メスで3kgですので、計算すると1日オス400kcal、メス240kcalとなります。これを2回に分けて与えます。

 成長期にあるの場合は、ピーク時で成の3倍必要です。生後2〜3ヶ月なら、体重1kgあたり250kcalくらい与えます。授乳も同じく250kcal程度必要です。妊娠中は多めに、老ネコは回数を多く量を少なめにします。



ネコに必要なカロリー

年齢 体重1kgあたり必要なエネルギー 食事回数
3週目まで 250kcal   4回
2〜3ヶ月 250kcal 4回
4〜5ヶ月  130kcal 3回
6〜7ヶ月  100kcal 3回
10ヶ月 80kcal   3回
成ネコ  70〜80kcal 2回
妊娠ネコ 100kcal 4回
老ネコ 250kcal 4回



フード選びのポイント
 


 キャットフードは見た目、味とも幅広く、ジャーキーなどのおやつにも多くの種類があります。基本的には、必要な栄養素がバランスよく含まれる総合栄養食を中心にします。

 子猫用、成用、老用など成長期にパックされた商品が便利です。ひとつの商品に決めたらあまり変えない方がいいでしょう。ほかの食品は食欲のないときに加えてみる程度にします。

 お店で買うときは、賞味期限をよく確認します。直射日光のあたる場所に置かれているなど管理の悪いものは避けるようにします。



子猫用フード(生後2ヶ月〜1才前後)
 子猫期は急激に成長する時期です。それを助けるため、筋肉をつくるたんぱく質と、歯、骨などの身体の形成にかかわるミネラルが多く必要です。

 そのためドライフードで100gあたり380〜440kcalと、成猫用より10%程度高い代謝エネルギーになっています。また、食べやすいように粒が小さめになっています。



成猫用フード(1才前後〜10才前後)
 たんぱく質、脂肪、ミネラル、ビタミンなど、猫に必要な栄養をバランスよく含んでいます。

 体重保持が目的なので、ドライフードの代謝エネルギーは、子猫より少ない100gあたり350〜430kcal前後が一般的です。毛玉対策や肥満予防などの機能つきフードもあります。



高齢猫用フード(11才〜)
 7〜8才過ぎから多くの猫の場合、基礎代謝が下がり運動量も減る一方で食欲はあまり変わりません。

 そのため脂肪を抑えてカロリーが配慮されたり、胃腸の衰えを考えて、消化吸収のよい原材料が使われているものもあります。ドライフードの代謝エネルギーは、100gあたり340〜410kcal。




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子猫の食事



 子猫は心身とともに重要な発達段階にあり、この時期の栄養素によって成長の善し悪しが決まります。

 猫の消化機能は雑食の人間や犬とはまったく違い、タンパク質、脂質を効率よく吸収して、糖分をほとんど必要としません。

 そのため、子猫特有の栄養バランスを手作りで補うのは難しいので、市販のキャットフードをお勧めします。

 生後3週目までの授乳期、生後3週から8週目くらいまでの離乳期には、それぞれ市販の子用ミルク、子用離乳食を使用するのがベストです。成と同じ食事になるのは生後8週目くらいからです。



生後3週目まで
 人肌に温めた子用ミルクを、子用哺乳ビンで与えます。人間が飲んでいる牛乳は与えてはいけません。

 市販の子用ミルクには、液体タイプと粉末タイプがあります。使い方を守ればどちらもOKです。これを人肌に温めて、の授乳専用の哺乳ビンに入れて与えます。

 をひざにのせ、片手での頭を少し上向きになるように支えながら飲ませます。牛乳はネコの体質に合わないので避けてください。



生後3週〜8週目
 段階的に成の食事に近づけていきます。ミルクを卒業したら水をたっぷり与えるようにします。

 行動範囲が広がる3週目くらいからミルクと子用離乳食を混ぜて与え、離乳食に切り替えていきます。鶏のささみや白身魚、レバーなどを刻んで与えてもOKです。ミルクを減らした分、たっぷりの水を用意します。

 用キャットフードが良いでしょう。くだいた成用フードにも挑戦します。子3ヶ月くらいまでは急激に成長します。そして、その後は緩やかなになります。それに伴い食事のカロリーを落としていきます。
(上記、カロリー表を参照)

 栄養バランスがよいのは成長期に合った子用のキャットフードです。3ヶ月を過ぎたら、くだいて食べやすくした成ネコ用のドライフードも取り入れてみましょう


生後8週〜6ヶ月
 子猫用キャットフードが良いでしょう。くだいた成ネコ用フードにも挑戦します。子猫は3ヶ月くらいまでは急激に成長します。そして、その後は緩やかなになります。それに伴い食事のカロリーを落としていきます。
(上記、カロリー表を参照)

 栄養バランスがよいのは成長期に合った子用のキャットフードです。3ヶ月を過ぎたら、くだいて食べやすくした成ネコ用のドライフードも取り入れてみましょう。




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成猫の食事

 成猫の食事はドライフード+水でOK。成に必要な栄養素をまんべんなくそなえているのはドライフードです。歯ごたえもあり、歯にくっつきにくので、虫歯や歯肉炎の予防にも最適です。比較的安価で扱いも簡単、保存性が高いのも利点です。

 ドライフードだけでも問題ないのですが、おいしくするために缶詰や、肉、魚などの生鮮食材を加えてもOKです。

 その場合は加えたカロリー分、ドライフードを控えます。水は腎臓の健康維持には不可欠ですので、食事には必ず新鮮な水を加え、水分補給をうながします。




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老猫の食事

 8歳ごろからカロリーを控え、老猫用のフードに少しずつ切り替えていきます。人間も同じで、猫も老化すると食べ方に変化がでてきます。成猫から老猫に移行するのは8歳くらいから。

 動作がにぶく、代謝も低くなるので、カロリーは成猫に比較して2割減程度で足りるようになります。この時期になったら、様子を見ながら老猫用フードに切り替えていきます。

 歯が弱って食べにくい猫には、ドライフードをふやかしてあたえてもいいでしょう。1度にたくさん食べられなくなったら3〜4回に分けて与えます。

 老猫の食事は軽めが原則です。おやつは必要ありませんが、たまにならOKです。カロリーの低いものを少しだけ与えます。





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猫に食べさせてはいけない物

ネギ類(ネギ、タマネギ、ニンニク)
 猫の赤血球をこわす成分が入っているため、食べると貧血から死にいたることもあります。刺激臭があるので通常、猫は生では食べませんが、ハンバーグやカレー、すき焼きなど調理された状態で食べても、下痢やおう吐、血尿などの中毒症状があります。


生のエビ、カニ、イカ、タコなど
 生のエビ、カニ、イカ、タコなどの内蔵にはビタミンB1の分解酵素を含んでいますので、猫が食べると急激にビタミンB1欠乏症になり、けいれんなどの神経症を起こして死に至ることもあります。ただし、完全に加熱処理してあれば問題ないでしょう。


チョコレート、ココア
 チョコレートやココアに含まれるテオブロミンには、が中毒をおこす成分が含まれています。中枢神経、心臓や腎臓にも影響を与え、おう吐、下痢、頻尿、興奮、けいれんなどを起こすことがあり、最悪の場合は死にいたることもあります。


コーヒー、紅茶、緑茶など
 これらの飲み物に含まれるカフェインもまた、が口にすると、チョコレートやココアに含まれるテオブロミンと同じような中毒症状を起こします。特に茶葉の状態のものは、液体よりもカフェイン濃度が高いのでより危険です。


生の豚肉
 消化不良の原因になります。トキソプラズマという寄生虫感染の恐れも。


人間用の牛乳
 下痢をすることがあります。子ネコより成ネコに特に注意。

鶏や魚の大きな骨
 鶏の骨は割れ口が鋭利で、のどや消化気管にささる危険があります。


アワビ、サザエ
 激しい皮膚炎の原因になります。


塩分の多いもの
 胃の粘膜を痛めます。腎臓に負担がかかり短命に。




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肥満猫にならないために




 太っている猫はユーモラスでかわいいものです。猫を上から見て、肩から腰まで均等に肉がついており、腰にくびれがあるのがネコの理想的な体型です。お腹が膨らんでいたら肥満気味のサインです。

 太っていて一番つらいのはです。また、肥満になると、心臓の負担は大きく、栄養過多による糖尿病なども心配です。病気予防のためにも早いうちにダイエットしましょう。



肥満の原因は
 猫に必要な食事の量は、ライフステージによって大きく違います。どんどん成長する子ネコのときや、妊娠中、授乳中にネコはたくさん食べなければなりません。

 しかし、成になって成長が止まったら、その後は健康でいられる量を食べれば大丈夫です。成になっても子のときと同じだけ食べていたら、たちまち太ってしまいます。

 また。運動不足も室内が肥満になる原因のひとつです。は犬のように走り回る必要はなく。ジャンプや上がり降りをする上下運動が基本ですので、高さの違う家具を並べるなど工夫して、十分な上下運動をさせましょう。




ダイエットのコツ

カロリーを抑える
 人間がダイエットする場合は、食事制限をしますが、は絶食すると死亡するおそれがありますので、のダイエットは食事をしながら行うのが基本です。

 量はいつもどおり食べさせて、摂取カロリーを減らす最も簡単な方法は、市販のダイエット用フードを利用するのがいいでしょう。タンパク質など必要な栄養分がバランスよく配合されているので安心です。


遊びでエクササイズ
 ふせる、狙う、飛びかかる、噛みつくといった運動神経が発達しているネコの運動は、基本的にこれらの動作ができればOK。じゃらしで遊ぶだけでもかなりの運動量になります。

 柱にぼろ布を巻きつけて登れるようにしたり、用のアスレチックなどを置いたりしてあげれば、ネコは自分で遊びながら運動します。

 また、大きな家具と小さな家具を凸凹に置いたり、家具と家具のあいだに棚を渡したりします。ちょっとした工夫がネコの運動量のアップにつながります。


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毛玉を吐かせるには

 胃にたまった毛玉を上手にはかせるには、先のとがった草が効果的です。猫は舌をつかって毛づくろいをしますが、そのときに自分の体毛をかなり飲み込んでいます。これが胃にたまると吐き出します。

 野良がときどき雑草を食べるのは、胃の運動を活発にして、毛玉を吐き出すためです。室内飼いのの場合は雑草が身近にないので、かわりの草が必要です。

 一般に草として売られているのは、葉先がとがったエン麦というイネ科の植物です。食べやすく、毛玉除去の効果があります。ペットショップや花屋で販売しています。

 毛玉がたまりすぎると毛球症という病気になりますので、よく観察して、吐かないようなら毛玉除去用サプリメントなども使ってみましょう。
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 猫の病気のサイン    
     
おしっこが出ない ごはんは食べるのにやせる 歩くとよろける
おしっこの色がおかしい けいれんをおこす 頭をふる、かたむける
うんちが出ない 毛づやが悪い 鼻みずがでる
うんちがゆるい 毛がぬける、フケが出る くしゃみ・せきがでる
吐く 呼吸があらい よだれがでる
熱がある 水をたくさん飲む 目をこする
おなかがふくれる 体をしきりにかく・かむ
ごはんを食べない じっとうずくまる こんな時はすぐ病院へ