子猫のしつけについて
一般的に1才前の子猫は、成猫に比べて順応性が高く、経験したことになれやすいものです。子猫のときに食事やお手入れをはじめ、人と暮らすうえで必要な行動や習慣についてしつけをすると、先々、猫のストレスも減って健康管理もしやすくなります。
猫は気まぐれの動物ですが、飼い主しだいでお行儀よく育てることができます。愛情をもって根気よく教えてあげましょう。
ただ、猫の性格や月齢によってその効果はさまざまですので、猫がいやがったり逃げようとしたら、すぐにやめて、別の日にするなどあせらず続けていくことが大切です。
無理にしつけようとすると、かえって強く拒否するようになって、その後しつけるのが難しくなってしまいます。
食事のしつけ
猫の飼い主には、エサをいつでも食べられるようにしている人と、決めた時間に一気にたべさせる人がいます。猫のしつけのためには、時間、場所、分量を決めて、それ以外は与えないようにします。
食事をきっちりさせることで、けじめのある生活を教えます。食べないからといって、つぎつぎにエサを替えたり、おやつばかりを与えたりするのはわがままのもとです。
また、人間の食べ物は栄養的にも猫には合わないので、あまり与えないようにするのがよいでしょう。
トイレのしつけ
トイレのしつけは生後1ヶ月くらいから始めます。子猫が自由に歩いているとき、食事のあと、部屋の隅や床のニオイをクンクンかいだり、あたりをキョロキョロ見回して落ち着かない様子だったらトイレの合図です。
すぐにトイレに連れていき、排せつ中は音をたてず静かに見守り、上手にできたらやさしくなでながらほめてあげます。
はじめのうちは排泄物をすべて片づけないで、少しのこしておくのが、トイレの位置を早くおぼえさせるポイントです。これを何回か繰り返せば、簡単におぼえてくれます。
トイレはいいかげんなしつけをしてしまうと成猫になってから、しつけなおすことができません。子猫のときにしっかりしつけましょう。
トイレを置く場所は
人の出入りの多くない、静かなところに設置します。そして一度場所を決めたら、あちこち変えないようにします。もし、移したいときは大幅にうごかすのではなく、少しづつ移動させましょう。
しつけは根気よく何度でも
トイレにつれていっても、何もしないでノコノコと出てくるときがあります。そんなときは勘違いか、緊張してうまくできないという時です。根気よく、トイレで用を足すまで、何度でも連れていくようにします。
失敗した時は
上手にできたら、ほめてあげますが、失敗したときには、その場所に猫の鼻をこすりつけて叱ってからトイレにつれていきます。
叱るときは首の後ろをつまんで「ダメ!」と強くいい聞かせます。たたいてはいけません。たたくと反抗心を起こさせ、かえって逆効果になることがあります。
爪とぎのしつけ
猫にとって爪とぎは本能的な行動なので、やめさせることはできません。爪をといでいい場所がないと、壁や家具などで爪をといでボロボロにしてしまいます。
爪をとぐことをやめさせるのではなく、爪をといでもいい場所をつくってやり、そこでさせるようにしつければ、家具などを傷つけられる心配はなくなります。
しつけは生後2〜3ヶ月から始めます
専用の爪とぎを用意する
猫は一般的には子ネコのときに馴染んだ爪とぎ素材を、成長してからも好むといわれています。市販のものには、ダンボール製、布製、カーペット製などがあります。
板に使わなくなったカーペットを張り付けたり、ロープを巻きつけたりした、手製のものでかまいません。
爪をとぐ行為というのは、肉球からでる自分のにおいをこすりつけるための、なわばり主張の行為です。爪とぎにニオイがついていると、くり返しそこで爪をとぐようになります。
2週間に1度はツメのチェックを
室内で飼っている猫は、ツメとぎが思うようにできず、ツメが伸びすぎることがあります。伸びすぎてしまうとツメが折れたり、肉球に食い込んだりして化膿してしまうこともあります。2週間に1度はツメをチェックして、伸びすぎていたら切ってあげましょう。
ツメの切り方
猫が横になって前足と後ろ足を投げ出した体制は、足先を触るいいタイミングです。ツメを切るときは、猫がリラックスしているときを見計らって行うといいでしょう。
横になっている猫にスキンシップしながら、できるだけそっと行うのがポイントです。猫が体勢を変えたり、いやがったらすぐストップして、続きは別の機会にするようにします。
一人で切る場合は、足で猫をはさんで固定します。肘から先を持ち、肉球を軽くおすとツメがニョキッとでてきますので、動物専用のツメ切りで、すき通ったツメ先を2mm程度切ります。
赤いツメの髄は神経なので切るととても痛く出血することもあります。一度痛い思いをさせてしまうと、ツメの手入れが嫌いになってしまうので十分注意しながら行うようにしましょう。
噛みぐせのしつけ
もともと狩猟動物である猫にとって噛むという行動は本能です。特に子猫の時期は遊びの一環で、きょうだい同士でかみ合い、そして手加減をおぼえます。
注意したいのは、人の手で遊ばせて、猫に「人を噛んでもいいもの」と覚えさせてしまうことです。子猫のうちはよくても成長すると本気で噛んで、飼い主がケガをすることにもなります。
猫には悪気はなくても、将来、頻繁に人の手を噛むようになっては、飼い主はいっしょにくらすのが辛くなるようなことにもなります。
子猫のときから遊びでも、人を噛むくせをつけないようにしつけることが、人と猫とのよい関係づくりにつながります。
しつけ方法
しつけの基本は、人の手でなくおもちやであそばせることです。子猫と遊ぶときは、手ではなくおもちゃを使います。たくさん遊んで遊びたい欲求を満たすことで、飼い主さんへ噛みつくことも少なくなります。
噛むことは猫の本能なので、噛んであそばせるタイプのおもちゃなど、噛んでもいいものを与えます。そして噛む対象を、人でなくおもちゃにする習慣をつけます。
家族以外の人にも慣らす
成長して家に来客や配達の人が来るたびに、怖がって逃げたり隠れるのは、猫にとっても大きなストレスになります。それを軽減するためには、子猫のときから、家族以外の人に接しても大丈夫なように慣らしておくようにします。
しつけには、生後5週〜2ヶ月くらいのあいだに多くの人と合わせると、人懐っこくなると言われています。知人などを家に招いて、より多くの人に接するようにするとよいでしょう
2ヶ月より成長した猫や、ふだんから何事にもビクビクしていて、人がくると隠れるような性格の猫は、無理に人に合わせると人嫌いになることもあるので、あくまでも猫の性格やペースにあわせることが大切です。
しつけ方法
1)来客には猫に構わず知らんぷりしてもらう。
まずは家族以外に人がいる状況に慣らすために、客には猫にかまわずしらんぷりしてもらい、猫の自由にさせておきます。ちなみに招く人は猫になれている人がベストでしょう。
2)猫が気づいたら、やさしくなでてもらう
客に猫の鼻に指先を差し出してもらい、ニオイをかがせます。怖がっていなければ、猫が気持ちいいと感じやすいあごの下やひたい、耳のうしろなどをやさしくなでてもらいます。
|