生後1ヶ月未満の子猫のお世話

 子猫が1ヶ月半くらいを過ぎるまでに、まず大切なのは生かすための「体温保持」「哺乳」「排せつ」のお世話です。


子猫
 
 授乳期の子猫は母猫にくっついて、温まりながらおっぱいを飲み、お尻をなめてもらって排せつ、それ以外の時間は寝ていますので、母猫がいない場合は、これに近い環境を人が作ってあげます。


【体温保持

 子猫は生後一週間くらいまでは、自分の体温の調節ができません。ですので、眠っているときでも母猫の体にくっついて体温を保持しています。

 人が代わりに育てる場合は、この体温保持が重要です。室温は24〜25度に保ち、ペット用ヒーターやタオルでくるんだ湯たんぽなどを利用して、寝床を体温に近い30〜35度に調整します。

 低温やけどのおそれがあるので、湯たんぽやヒーターが、子猫に直接触れないように注意します。



寒い家ではペット用ヒーターを用意する
 ペット用のもので、かじったりオシッコにも配慮した、熱くなりすぎない機能がついたものがよい。



哺乳

 子猫が鳴いたらミルクの合図です。通常は猫の体温と同じくらいの温度の子猫用ミルクを哺乳びんであげますが、弱っている場合はスポイトであげます。

 スポイトであげるときは、子猫の上体を少し起こして口をあけ、数滴ずつ舌の上にミルクを垂らします。仰向けにして飲ませたり、無理に流し込むと、ミルクが気管に入って窒息の恐れがあるので注意が必要です。自力で飲めるようになったら哺乳びんにします。



哺乳びんは
 ミルクの量が少ないので、小さいびんの方が、ミルクの温度がさがらないのでおすすめです。


子猫用ミルクは
 よく溶かして与えます。成猫用のミルクもありますが、栄養バランスが違うので、必ず子猫用を使いましょう。


人工哺乳の目安
 生後3週間はミルクだけで育つ哺乳期です。この期間に子猫の体重は1日5〜10g増えていきます。成長具合によってミルクの量は違ってきます。チェックポイントとしては、へその緒の様子、目の開き具合、乳歯が生えているがどうかを観察します。


生後3週間までの成長と人工哺乳の目安

生後 成長の様子 哺乳の目安 体重の目安

1〜4日

へその緒がついている

最初は1ccから哺乳、3〜5ccを3時間ごとに1日6〜8回

70〜110g

5〜10日

へその緒が自然にとれる。視覚も聴覚もまだ機能していない。嗅覚だけがたより

6〜10ccを
1日5〜6回

200g

1〜2週

目が開きかけ、耳が聞こえるようになる。自分で動くようになる。前歯が生えてくる 6〜10ccを
1日5〜6回

200〜300g

2〜3週

この頃に脳が発達。動きも活発になってくる。3週以降犬歯が生えてくる

10ccを
1日4〜5回

300〜400g



排せつ

 生後3週前後までは、母猫にお尻をなめてもらって排泄します。人が代わりに行う場合は、ぬるま湯に浸したガーゼなどで肛門近くを軽くトントンとたたきます。擦ってはいけません。そうするとおしっこがしみだしてきます。飲むミルクの量が少ないので1回の量は数cc程度です。

 胃に食べ物が入ると腸の動きが活発になり便が出やすいので食後に行います。ミルクを飲むのなら2日程度の便秘は問題ありません。

 ミルクを飲まなかったり、3日以上便秘が続いたら動物病院へ連れて行きます。ミルクを飲みすぎて下痢をする場合は、1日に与える回数は変えずに1回の量を減らしましょう。





3週齡以上になると性別がわかる
子猫のオス、メスはとても見分けにくいといわれていますが、生後3週以上になると判断しやすくなります。

 見分けるポイントは、陰部の位置です。メスは陰部と肛門の間が狭く、オスはその逆に陰部と肛門の間が長いのが特徴です。オスの間隔が長いのは、睾丸が成長につれて出てくるためです。

 



 
 
   
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おしっこが出ない ごはんは食べるのにやせる 歩くとよろける
おしっこの色がおかしい けいれんをおこす 頭をふる、かたむける
うんちが出ない 毛づやが悪い 鼻みずがでる
うんちがゆるい 毛がぬける、フケが出る くしゃみ・せきがでる
吐く 呼吸があらい よだれがでる
熱がある 水をたくさん飲む 目をこする
おなかがふくれる 体をしきりにかく・かむ
ごはんを食べない じっとうずくまる こんな時はすぐ病院へ