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胸やけスッキリ解消

 食べ過ぎてしまったり、油っこいものを食べた後に、胸がムカムカしたり、焼けるような感じがしたりするのが「胸やけ」です。胸やけは逆流性食道炎という病気です。(CMでありました)胸やけは、薬を飲むと一旦は解消しますが、しっかり治すのには食事や生活パターンのセルフケアが必要です。 胸やけスッキリ解消

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つらい「胸やけ」スッキリ―胃食道逆流症といわれたら
胸やけ(逆流性食道炎)とは
 私たちは毎日食事をしていますが、その食事の中には有害な細菌が混じって入ることもあります。

 そのため、食物と一緒に入った細菌をすぐに胃の中で殺すために、胃の中では胃酸が分泌され胃を守っています。

 胃酸の成分は塩酸で、ほとんどの細菌は胃酸によって死んでしまいます。また、胃酸の中にはペプシンというタンパク質を分解する酵素も混じっていて、塩酸と一緒に細菌を殺したり、食物を消化したりしています。

 胃の壁はゼリー状の膜でおおわれていますが、このゼリー状の膜は胃の中の細胞が塩酸やペプシンで殺されたり、消化されたりするのを防いでいます。そして、口と胃との間には食道といわれる長さが20cmで、太さが2cmほどの管があり、食べ物を口から胃へと運んでいきます。

 この食道には粘液はほとんどありませんので、塩酸やペプシンを含む胃酸が侵入してくると、食道の壁の表面の細胞が傷つけられたり、消化されてしまいます。

 このようなしくみの中で、胃と食道の間の境界部分は胃液の逆流を防ぐようになっているのですが、いろいろな原因でこのしくみがうまく働かなくなって胃液が食道内へ逆流して、食道内に傷をつくったり、さまざまな自覚症状を起こします。

 この自覚症状は、みぞおちの辺りが熱くなったり、ムカムカしたり、胸の痛みや、胸が焼けるように熱く感じるような症状で「胸やけ」とよばれています。



胸やけはこうして起きる
  胸やけのほとんどは食後に起こります。胸やけの症状の80%以上は、胃の中の酸性の胃液が食道内に逆流して、食道の壁を刺激したり、傷ついたりすることによって起こります。つまり、酸性の胃液が食道内に逆流するような時間に起こりやすいということになります。

 食事をすると食べ物の中に入ってしている細菌を殺すために胃酸(塩酸)が胃の中に分泌されてきます。また、食物中のタンパク質を強力に分解する消化酵素であるペプシンも分泌されてきます。

 これらの胃液は、食事として入ってきて胃の中にためられている食物と完全に混じりあっているわけではなく、胃の中にたまっている食物の食道に近い部分に、食物の上をおおうように胃液がたまっています。

 つまり、食後には、胃の中でも食道に一番ちかい部分に胃液がたくさんたまっていて、この胃液が食道内へ逆流しやすい状態となっています。

 このようなしくみの中で、胃と食道の間の境界部分は胃液の逆流を防ぐようになっているのですが、

 いろいろな原因でこのしくみがうまく働かなくなって胃液が食道内へ逆流して、食道内に傷をつくったり、さまざまな自覚症状を起こします。この自覚症状は、みぞおちの辺りが熱くなったり、ムカムカしたり、胸の痛みや、胸が焼けるように熱く感じるような症状で「胸やけ」とよばれています。


どうして胸やけになるの
 胸やけの原因は食事の内容と密接な関係にあります。特に一度に大量に食べたとき、脂肪を多く含む食事をしたとき、カレーやトウガラシなどのスパイスを含む食事をしたとき、アルコールを飲んだとき、濃い味の食品を飲んだり食べたりしたときには胸やけが起こりやすくなります。

一度に大量に食べたとき
 一度に大量に食べると胃壁が膨らんで大きくなります。そのため食道と胃の境界部のしまりがゆるんで、胃液が食道内に逆流しやすくなり胸やけ起こしやすくなります。また同時に大量の食品を一度に殺菌、消化するために大量の胃酸が分泌されます。このため胃酸の逆流が起こりやすく、胸やけがおこりやすくなります。

脂肪を多く含む食事をしたとき
 脂肪を含んだ食品を食べると、食道内に少量の胃酸が逆流しただけでも胸やけが出やすくなります。これは脂肪が食道の酸に対する感受性を高め、食道を敏感にしてしまうためです。そのため脂肪をたくさん含む食事は胃酸の逆流を増やすとともに、食道を胃酸に対して敏感にするため食後に胸やけが出やすくなります。

スパイスを含む食品を取ったとき
 スパイスの中にはカプサイシンという辛み成分が含まれていますが、このカプサイシンが食道の粘膜に接触すると食道の粘膜が刺激を受け、食道を敏感にしてしまいます。このためスパイスの多く含まれた食事をすると胸やけを感じやすくなります。

酸性の食品をとったときは
 酸性の食品も胸やけを起こしやすいことがわかっています。酢の物やコーラ、スタミナドリンク、果物のジュースなど酸性の高い飲み物を飲むと、胃酸と同じように、酸性飲料が食道粘膜敏感にしてしまい胸やけの症状が出やすくなります。

アルコール飲料を飲んだときは
 アルコール飲料や浸透圧飲料も食道粘膜に対する刺激性の高いことが知られています。特にワインを飲むと胸やけをおこしやすい人がたくさんいます。これはワインのアルコールや高浸透圧が関わっていると考えられます。

姿勢によって胸やけが起こる
 体を横にした状態や頭部を低くすると胃と食道が水平となり、胃の内容物が逆流しやすくなります。夜間に胸やけが起こりやすいのはこうした理由からです。
 同じように、胃よりも食道が下になり、逆流が起こりやすい状態として、例えば、前かがみになって草むしりをしたり、畑仕事をすると胸やけがおこりやすいという人も多くいます。また、前かがみの姿勢は、腹部を圧迫するので逆流を起こしやすくなります。


胸やけの薬は

 

 逆流性食道炎の治療にはもっとも標準的で効果的なのが内服薬による治療です。薬物療法の効果は高くほとんど治ります。


 胸やけはプロトンポンプ阻害薬(PPI)という薬を1〜2ヶ月飲むことで、症状はなくなり快適になります。ところが薬を中止すると半数以上の人に再び症状がでて再発してしまいます。このため、薬で症状をなくし、食道の傷を治しているあいだに、食事や生活パターンのセルフケアを行っていきます。

服薬は根気よく続ける
 胸やけを完全に治すのには、胃と食道の境界部分のしまりをよくしなければなりません。ところが、内服薬を飲んでもこの部分のしまりがよくなるというわけではありません。薬の内服をしている間は食道の傷も治まっているわけですが、薬の内服を中止してしまうと、数日の間に再び症状が出現し、食道の傷も再発してしまいます。

 そこで、症状がなくなっても炎症が十分にとれるまで、1〜2ヶ月は薬を飲み続けるようにしなければなりません。その後、薬を中止してみて、胸やけなどの症状が出てくるようなら、もう一度薬を飲み始めるようにします。根気よく治療することが大切です。

胸やけの薬はプロトンポンプ阻害薬(PPI)
 胸やけは、食道と胃の境界部のゆるみのために、胃液が食道内に逆流してさまざまな不快な症状を起こしたり、食道に傷をつくってしまうものです。そこで、本来なら食道と胃のしまり具合がよくなる薬があれば理想的なのですが、まだそのような作用が十分に強い薬はありません。

 そこで、胃液の中の胃酸を減らし、胃液が食道内に逆流しても、食道を傷つけないような薬が用いられます。

 胸やけの薬としては、一般的には胃酸分泌抑制薬のプロトンポンプ阻害薬(PPI)がもっともすぐれた薬として使用されています。

手術が行われる場合
 逆流性食道炎の人で、胃の大部分が横隔膜を超えて胸腔に入り込んでいるひどい食道裂孔ヘルニアの人や、重症の逆流性食道炎の再発を繰り返したりしたため、食道の下部に傷あとが出たりを繰り返しているような人は手術が必要となることがあります。

 また、何度も逆流性食道炎を繰り返す若い人では、長い期間にわたってPPIを飲むことに抵抗感があり、手術を希望することもあります。

 逆流性食道炎の手術は、ほとんどの場合、内視鏡を使って行われます。手術の跡も小さく入院期間も2週間程度ですみ、体の負担も大きくありません。


胸やけになりやすい食事



酸味の強い飲料

 酸度の強い食品は酢、レモン、みかん科の果物、果物のジュース、コーラ類、スタミナドリンクなどは酸度が高い飲料ですので控えるようにします。一般的にすっぱいものはさけるようにします。ただし、梅干は酸性ではありません。
 一方、牛乳やお茶などは中性の飲み物ですので、胸やけの症状を軽くします。

激辛のもの、熱すぎるもの
 トウガラシやカレーの中に入っているカプサイシンという物質や、高い温度によって食道が刺激されやすくなります。激辛カレー、マーボドーフ、エビチリ、ラー油などはその代表的な食べ物です。同じように熱いものも食道が刺激されるため、胸やけしやすくなります。

例えば、激辛カレーを食べながらオレンジジュースを飲んだりすると大変です。もし、カレーを食べたければ、甘口のものにして、少し温度がさめてから食べ、お茶や牛乳も一緒に飲むといいでししょう。

甘いものもほどほどに
 甘いものは糖質をたくさん含んでいるので、これが胃液の中で溶けると浸透圧が高い液体となり、胸やけが起こりやすくなります。あんこがたくさん入ったおまんじゅうなどは量を控えめにするといいでしょう。

脂っこい食事
 脂肪は食道と胃の境界部のしまり具合を悪くするという働きがあります。そのため胃液が食道内に逆流しやすくなり胸やけ起こしやすくなります。できるだけ脂っこい食事はさけるのがいいでしょう。

腹八分が大切
 満腹になると胃の壁がいっぱいにおおきくなります。そのため食道と胃の境界部のしまりがゆるんで、胃液が食道内に逆流しやすくなり胸やけ起こしやすくなります。

お酒やタバコは控えめに
 アルコール類やタバコは、胃液の食道内への逆流が起こりやすくなることがわかっています。理由はまだよくわかっていませんが、特にワインは胸やけを起こしやすいといわれています。


胸やけを解消する方法



食後にガムをかむ(睡液を出す)

 食後の胃液の食道への逆流が起こりやすい時間に、睡液の分泌を増やしておくと、胸やけ症状がおこりにくくなります。唾液は胸焼けを治すだけでなく、その他消化を助ける働きや口臭を除去する働きなどがあります。例えば、ガムをかんで睡液の分泌をうながすのも効果的です。食事後1〜2時間噛み続けることで胃が酸にさらされる時間が半分以下になることがわかっています。

消化の良い食べ物をとる
胃にとって一番良い方法は消化に良い食べ物をしっかりとることです。そのため、うどんやおかゆなどの消化に良い食べ物をおすすめします。

牛乳を飲む
 胸焼けの応急処置として効果の高いのは牛乳を1杯飲むことです。牛乳を飲むことで食道の粘膜に膜ができて胃酸の攻撃から胃を守ってくれます。また、お茶なども胃液を中和させてくれますのでおすすめします。

前かがみの姿勢を長時間続けない
 前かがみの姿勢をとると、胃よりも食道のほうが低い姿勢になってしまうので逆流が起こりやすくなります、また一度逆流してしまうと、胃の中に押し戻すのが困難になるのと、腹が圧迫されることで逆流が起こりやすくなります。前かがみの姿勢を長時間続けないようにしましょう。

上半身を高くして寝る
 体を横にした状態や頭部を低くすると胃と食道が水平となり、胃の内容物が逆流しやすくなります。夜間に胸やけが起こりやすいのはこうした理由からです。そこで、上半身を高くして寝ることで胃酸の逆流を防ぐことができます。枕や布団を上手く利用して上半身を高くする工夫をしましょう。

ストレスをためない
 ストレスはどんな病気にもよくありません。ストレスが食道内への逆流を増加させるわけではありませんが、胸やけも過労やストレスで症状が強くなることがわかっています。ストレスを感じないような生活を心がけることも大切です。