更年期のさまざまな不快な症状は、卵巣機能の低下にともなって、女性ホルモンのエストロゲンが急激に低下をしたり、分泌が不安定になって起こります。そこで、外から飲み薬や貼り薬などによってホルモンを補ってあげるというのがHRTの療法です。
HRTは更年期特有の自律神経失調症に抜群の効果を発揮します。また短期間で効果が得られるのが特徴で、自律神経失調症に関しては、使用して3ヶ月後には約8割の人が「効果あり」と答えているという報告があります。
HRTは、現在ではもっとも有効な更年期障害や更年期症状の治療法として、欧米では主流になっていますが、日本での普及率は焼く1.5％とまだまだ少ないようです。その背景には「更年期の症状は、病気ではないので自然のままに任せるべきだ」という日本人独自の価値観や、副作用が怖いという心配もあるようです。しかし、どんな薬にも副作用はあり、大切なことはHRTの長所と短所をよく理解して、自分で納得して使用することが必要です。 |
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HRT(ホルモン補充療法)Q&A |
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 HRTは健康保険はきく？
HRTの費用はいくらくらい？
月経がある間はHRTを受けられない？
美容目的でHRTを受けたい？
HRTは妊娠の可能性は？
HRTを飲むと太る？
HRTはどのくらい続ける？
HRTをやめたらリバウンドはある？
HRTをはじめたら乳房が張ってきた？
HRT飲み忘れたときは？ |
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 HRTは健康保険はきく？
 更年期症状に対する治療や骨祖しょう症、萎縮性膣炎の治療の場合は保険が適用されますが、骨祖しょう症の予防や肌の若返りなどへの使用では健康保険は適用されません。
HRTの費用はいくらくらい？
ホルモン剤そのものの薬代は1ヶ月1000円程度です。保険が適用される治療なら、初診料や各種検査代を含めても初回は数千円〜1万円くらいです。ただ、保険診療では、ゆっくりと時間を取れないのが現状です。そのため自費診療で行うクリニックもあります。その場合は、初診で検査代、薬代などを含めると数万円かなることがあります。しかし、そのぶんゆっくりと話を聞いてくれたり、いろいろとアドバイスを受けられるメリットがあります。
月経がある間はHRTを受けられない？
月経があっても、更年期の症状があって、エストロゲン値が低い場合はHRTを受けられます。またそれほど数値がさがっていなくても、更年期の症状がつらい場合は、閉経前でも治療をはじめてかまいません。
美容目的でHRTを受けたい？
エストロゲンは肌をみずみずしく保つ働きをしますので、HRTを行っていると肌のつややかさを保つことができます。しかし、あまり早くから治療をはじめることはおすすめできません。卵巣が元気に働いているうちに女性ホルモンを補充すると、卵巣がさぼって働かなくなる可能性があります。HRTは卵巣機能が低下したときにはじめて必要な治療法です。
HRTは妊娠の可能性は？
HRTを行うと、月経のような出血がみられるために、再び妊娠の可能性があるのではと気になりますが、その心配は無用です。女性ホルモンを補充することで、子宮の内膜が月経と同じような現象を起こしているだけで、一度衰えた卵巣機能が復活したわけではないからです。
HRTを飲むと太る？
HRTを飲むと太るということはありません。太ったというケースで考えられることは、つらい症状が消えて食欲が出たということでしょう。更年期以降は肥満が起こりやすいので、食生活を見直して運動を心がけることが必要です。
HRTはどのくらい続ける？
更年期の症状の改善が目的であれば、つらい症状がおさまって快適な生活が送れると満足できたら、その時がやめどきです。ただし、骨祖しょう症や動脈硬化の治療のためにHRTをおこなっている場合は、途中で勝手に薬をやめてしまうと治療効果がなくなってしまいます。
HRTをやめたらリバウンドはある？
HRTで使用する女性ホルモンの量は少量なので、リバウンドはありません。しかし、エストロゲンが急激に減ったことでおこる、のぼせやほてりなどの急性症状があるときは、HRTをいきなりやめると、症状が再びでてくることがあります。その場合は少しずつ薬の量を減らしたり、服用する間隔をのばしたりしていくなど、徐々に薬のない状態にもっていくようにします。
HRTをはじめたら乳房が張ってきた？
乳腺はエストロゲンの影響を大きくうける部位なので、治療中に乳房が痛むことがあります。特に心配はいりませんが、乳房が張って痛むような場合は、医師に相談して、薬の量を減らすようにするとよいでしょう。
HRTを飲み忘れたときは？
ピルの場合は飲み忘れると避妊効果がなくなりますが、HRTは、減少したエストロゲンを補って体をサポートするために使う薬ですから、飲み忘れに対してそれほど神経質にならなくても大丈夫です。 |
HRT(ホルモン補充療法) 