精神療法・心理療法の種類

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行動療法


行動療法は意識や無意識に働きかけるのではなく、学習によって態度の変容および治療の実効をあげようとするものです。たとえば、乗り物恐怖症の治療の場合、無意識的な死の願望というようなコンプレックスを想定し、患者にそれを理解させるといったような手続ではなく、乗り物に乗れないという行動そのものを問題とし、実際乗れるように指導していくという手続がとられます。ただし、このような行動そのものの実現のために、イメージなどの意識過程を操作するという手続を利用することもあります。


 行動療法では、異常行動は素質ではなく後天的に学習されたものであると考えます。したがって、学習の原理によって、適切に学習し直すのが治療です。主として条件づけの考え方にたって、さまざまな治療法がくふうされています。


 その代表的なものが系統的脱感作法で、主として恐怖や不安を解消するためにくふうされた方法です。たとえば急行電車に乗れないという恐怖症に対して、まず電車に乗ることにかかわる事項についての恐ろしさの程度を調べ、それを恐ろしさの順に並べる。一方で、患者に筋肉弛緩を主とした弛緩法を訓練して、弛緩している状態にさせ、そこで一番不安のない刺激をイメージしてもらう。そして、その刺激をイメージしても十分弛緩していられる状態になったら、順序に従って次の刺激に移り、同じ手続を繰り返し、電車に乗る場面まで移行していき、そのイメージを描いても十分弛緩していられるようにしていく方法です。


 行動療法は、綿密な治療計画を立て、少しずつ恐怖感をとりのぞいていくため、治療期間は半年から一年が必要です。おもに、薬物依存症、アルコール症、恐怖症などに用いられます。



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