家族の中のひとりに現れている精神症状や問題行動を、その人を取り巻く家族関係の中で起きてくる現象だと考え、治療者のアドバイスのもとで、患者さんと家族がともに治療するための方法です。
これは家族がもっている力を引き出し、将来にむけ「どのように力を結束させていけば問題が解決されるか」という点に力が注がれます。
家族内の力関係や、各家族成員の役割変化、家族成員ひとりひとりの内的変化がうまくおこることによって、一番問題になっていた患者さん本人の症状が改善されていきます。
また、当の患者さん本人が受診を拒否している場合でも、家族だけが通院することによって、良い効果がうまれることもあります。広義の家族療法には、心の病気すべてが対象に含まれますが、家族療法を実施している専門機関はまだ少なく、保険の対象外のため、すべて予約制・自費診療になります。
しかし、患者さん個人のみに対する治療だけで問題解決すると考えるよりも、家族全体の問題として捉えることが、心の病気では非常に大切なことです。 |
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