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冷え性(冷え症)とは

 冷え性はつらいですね。体が冷え切って重い、疲れやすい、顔色も悪いし、肩もこる。布団に入っても冷たくて眼むれない・・・。そんな悩みを抱えながらも体質だから、とあきらめている人や、冷えとのつきあいがあまりに長いので慣れきって放置している人も多いのではないでしょうか。
 ある調査によると、女性の半数以上が冷え性に悩んでいるといいます。また、冷え性は決して女性特有の病気ではなく、男性にもおよそ1割が冷え性に悩んでいます。しかもその数は増えているといわれています。
 では、冷え性とはどんな病気なのでしょうか、冷え性はふつうの人が寒さを感じないくらいの環境で、手足や腰などの体の一部、または全身が冷えてつらい状態ということです。でもその定義はあいまいです。というのも冷え性には検査の数値や決められた基準があるわけでなく自覚症状が基準となっているからです。でも、冷えは万病のもとです。冷え性が頭痛やリウマチや気管支ぜんそくなどを悪化させる原因になっていることがわかっています。冷え性を治せば、さまざまな不調から開放されることもありますので、放置せずに日常生活から改善していきましょう。

冷え性は病気?

 冷え性は病気なのでしょうか。それとも冷え性という体質なのでしょうか。かつて冷え性は、単に体質とみなされることが多かったようです。確かに冷えを訴える人を検査しても、なんの異常も見つからないことがほとんどで、西洋医学では、治療対象にはなりにくかったともいえます。
 しかし、実際に苦痛があり、生活に支障をきたす人がたくさんいます。また、冷え性が頭痛やリウマチや気管支ぜんそくなどを悪化させる原因になっていることがわかっています。最近では、患者さんの苦痛を取り除くことや、予防の考え方が広まるにつれ、体質的な「冷え性」から治療対象の「冷え症」にだんだん変わってきています。

なぜ冷え性になるの

 私たち人間は恒温動物なので、一年中ほぼ一定の体温を持っています。極寒の冬も猛暑の夏も、体のコアは一定の温度を保っているということは、考えてみればすごいことなのです。暑いとき人間は主に汗をかくことで体温を下げようとします。一方、寒いときには末端の血管を縮めて体表の温度を下げ、体から熱が放出するのを防ごうとします。大切な内臓を守るために、体はあらゆることをしてコア体温をキープしようとします。
 極端な例では、冬山で凍傷になるとき、真っ先に耳や指が犠牲になりますが、これも体の中から遠いところを切り捨てていくことで、体のコアを守っているわけです。つまり、寒い環境で手足が冷えるのは、寒さから身をまもる生理的な反応でもあるわけです。しかし、冷え性の人の場合は、暖かい環境に移ってもその冷えが戻らないことに問題があります。

冷え性と関係の深い病気

 冷え性はさまざまな不調や病気の原因になったり、症状を悪化させたりすることがわかっています。冷え性を改善すると、これらの症状が軽くなったり、ときには改善されることもあります。

疲れ、だるさ
 冷えと一番関係の深いのが疲れやだるさです。体が冷えている状態は、血のめぐりも悪い状態です。本来、体のすみずみまで血液が運んでくれる新鮮な酸素や栄養が充分いきわたらないので活力がわきません。それだけでなく、酸化物質や疲労物質といった老廃物も回収されずに残ってしまうので、だるさを感じやすくなってしまいます。また、体が冷えていると、食事からとったエネルギーをもっぱら体を温めるために消費してしまうので、活動のエネルギーが減少してしまいます。


生理痛
 生理痛の痛みの正体は、子宮内膜から分泌されるプロスタグランディンという物質です。プロスタグランディンは子宮を収縮させ、子宮筋に虚血を起こして痛みを生じさせることから、おなかを温めたりツボを刺激したりして血液循環をよくしてあげると、生理痛も改善されることがよくあります。

むくみ
 冷え性の患者さんの中には「むくみ」を訴える人が多くいます。むくみが生じるのは、細胞内の水分が外に出たまま戻らなかったり、排出されずにたまっているためです。冷え性と同じく血行不良を改善すると、リンパの流れや代謝もよくなり、むくみの改善につながります。

肩こり
 同じ姿勢をとり続けていると、血行が悪くなって、肩こりの原因になりますが、それは冷えにもいえます。ストレッチをしたり温めたりすることで、冷えを取り除いてあげることが、肩こりの改善にもなります。

冷え性は何科で診てもらうの

 いろいろな病院に「冷え性外来」がありますので、通院できる範囲内にあれば、そこにいくのがよいでしょう。近くになければ、ふだん診てもらっているかかりつけの医師に相談するのがよいでしょう。
 また、最近では「女性外来」や「レディスクリニック」なども増えてきました。体全体を診てくれるところが多いので、そうしたクリニックを受診するのも良いでしょう。