冷え性の原因
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栄養不足

 空腹のときに食事をとるだけで体がホカホカしてくることはありませんか、食事はその7割がエネルギーに変わっています。もし食べる量が少なかったり栄養のバランスが悪かったりすると、熱エネルギーのもととなる材料が体内に入ってこないわけで、体は十分な熱をつくることができません。また胃腸が虚弱な場合もうまく栄養を取りこめないので体が冷える原因になります。
 女性の場合、無理なダイエットも冷え性の原因になりがちです。食事制限だけで体重を落とすと、その結果、代謝がわるくなり、脂肪の燃えにくい体になってしまうので、かえってやせにくく体も冷えてしまいます。

筋肉不足

 食事と並んで熱の生産に欠かせないのが筋肉です。以外かもしれませんが、体が一日につくる熱のなんと6割は筋肉によって生みだされているのです。運動などで体を動かすと温かくなりますが、これは筋肉で熱が発生するためです。また筋肉が動くことによって血流が増加するので、温まった血液が全身に運ばれます。
 しかし、それだけではありあません。もうひとつ大事なのが、基礎代謝による熱の発生です。私たちの体は寝ているときも心臓や肺などの内臓を動かしたり、細胞を修復したり、最低限の代謝をおこなっています。これが基礎代謝です。その基礎代謝を支えているのが骨格筋などの筋肉なのです。
 基礎代謝はそれでなくても20歳を超えるとだんだん低下してきます。筋肉量が少ないと基礎代謝量も減ってしまうので、体はますます冷えてしまうことになります。

血流障害

 中高年によく見られるのは、動脈硬化で血管の内腔が狭くなっているとか、血液の粘性が高い、つまり血液がドロドロというケースです。血液がドロドロという状態になると、血液による栄養の補給や、老廃物の排出が滞っている状態です。手足の先の細い血管に血が流れにくくなるので冷えを感じるのです。また。女性には血液を送り出す力が弱い人が多いためより冷えを感じるのです。

自律神経のトラブル

 血流障害のもとになる病気がないのに、血行不良が生じたり、体温調節がうまくいかない場合があります。そのほとんどが、現代人に多い自律神経のトラブルによるものです。
 自律神経は呼吸、血圧、脈拍、体温などを自動的にコントロールしている神経で、交感神経と副交感神経の2つからなっています。日中は交感神経が主に働いていて、体を活動的な状態にしてくれます。血圧や心拍数も高めで緊張モードになります。一方、夜間は副交感神経が主に働いて、体は休息状態に入ります。呼吸もゆるやかで血管は広がって手足も温かいリラックスモードです。
 通常はこの2つの自立神経がお互いにバランスよく機能して体をコントロールしているわけですが、何かのきっかけでそのバランスが崩れると、血液の循環が悪くなったり、体温調節がうまく働かなくなったりして、寒くない環境でも冷えてしまうことになります。

寒暖の差

 自律神経を乱す原因の一つが寒暖の差です。最近は家にもオフィスにも冷暖房が完備されていますので、真夏や真冬は、外気と室内に激しい温度差があります。こうした環境の中を出入りして急激な温度差にさらされ続けると、体温のコントロールを行っている自律神経が疲弊して混乱してしまいます。

ストレス

 自律神経はとてもストレスの影響を受けやすいと言われています。ふつうストレスのために緊張を強いられる状況では交感神経が優位になりますが、緊張が解ければ副交感神経が優位になって体を休めることができます。しかし、ストレスが多く交感神経の緊張した状態がずっと続けば、自律神経のバランスが崩れ、失調をきたしてしまいます。

その他の冷えの原因

薄着
特におなかまわりが露出している服装は、全身を冷やしてしまうことになりがちです。また、しめつけの強いガードル、あるいはきつい靴など、血行を妨げるのも冷え性の原因になってしまいます。

タバコ
タバコに含まれるニコチンには交感神経を刺激して血管を収縮させる働きがあります。冷え性の人は禁煙が必要です。

鎮痛剤
鎮痛剤には血管を収縮させる働きがあります。偏頭痛や整理痛などで常用している場合は、これが冷え性を悪化させている可能性もあります。