子供のアスペルガー症候群について正しく理解するための基礎知識




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 子供のアスペルガー症候群

 

 アスペルガー症候群の子供は「全体をうまく捉えられない」

 アスペルガー症候群の子供は物の見え方のも特有の感覚をもっています。普通私たちは全体像を見るとき、これがどういったものかというのを瞬時にとらえます。そして次に細部を見ていくという作業を無意識のうちにおこなっています。

 しかしアスペルガー症候群の子供はこの認識作業がうまくできません。例えば、自分の部屋の中で、出かける時に机の上においた本が、帰った時に位置がずれていた場合、ここは自分の部屋ではないと感じてしまうのです。これは細部を積み重ねて全体をとらえるというアスペルガー症候群の特有の感覚のためです。全体が見えなくなるのは認識作業がうまく行えないためなのです。

 同様に、人の顔を見てその表情を理解することも苦手です。普通はその人が怒っているか、喜んでいるかは、顔全体の表情をみれば瞬時にわかりますが、アスペルガー症候群の子供は顔全体の表情をうまくとらえることができないため、表情を理解するために目や口といった個々のパーツの形をたよりに判断することが必要になります。
 例えば、「喜んだ顔」というのは「目が開いて、口の両端があがる・・・」など、顔の作りとその動きをひとつひとつ確認しないと表情を理解することができないのです。


 

 アスペルガー症候群の症状

社会性の発達障害 手順に強くこだわる
友だちと一緒に遊べない

全体をうまく捉えられない(視覚)

人ごみや騒音が苦手(聴覚)

特有の身体感覚を持つ(触覚)

保育士の言うことが理解できない 視線の意味が分からない
友達から誤解されることがある 過去と現在を同じに感じる
大人びた口調で話す 運動が苦手