アスペルガー症候群の大きな特徴として、すぐに全体像をつかむことができないことがあります。
例えば、普通の人は木を見たとき、瞬間的にそれを木として認識することができます。しかし、アスペルガー症候群の人にはそれが難しいのです。
アスペルガー症候群の人は、全体を見る前に、まず目の前の葉っぱに注目します。1枚の葉っぱの特徴をよく観察し、今度は別の葉っぱを観察します。そうやってみていくと、一つとして同じ葉っぱはありません。やがて、枝があることに気づき、さらに幹があることに気づきます。そこで、やっと「葉があり、枝があり、幹がある・・・これは木だ」ということになります。
これは極端な例ですが、このようにアスペルガー症候群の人は細部に集中するあまり、全体像をとらえにくいという特徴を持っています。
アスペルガー症候群の人の、仕事上の作業効率が悪くなるのは、全体像を把握するのが必要な場面で、細部に集中しすぎてしまうせいなのです。
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