道に迷う、あてもなく歩き回るといった徘徊は、家族にとっては「事故に遭うのではないか」、「行方不明になったら」という不安で精神的にも大きな負担となります。しかし、認知症の方にはそれなりの理由がありますので、その原因や欲求を冷静に考えて対応していきましょう。「ついてくるな」と嫌がるときは、少し離れて歩き、本人が疲かれたり心細くなったときをみはからって、偶然であったようにふるまい「帰りましょうか」と声をかけます。徘徊予防のために1日の生活パターンを作ったり、毎日いっしょに散歩する時間を設けることも効果的です。
徘徊を繰り返すときの対策
近所の人にも事情を話して、付き添いなしでいる本人をみかけたら知らせてもらうようにします。立ち寄りそうなところにもお願いをします。地域の警察にも、本人の写真をもっていって事情を話しておきましょう。
また迷子になったときのために、衣服に名札を縫いつけたり、お守り袋に住所や氏名を書いた紙をつけておきます。目立つところにつけると自尊心を傷つけますから、本人にわからないようにします。
徘徊高齢者位置情報システム、徘徊予防グッズ
市町村によっては、徘徊高齢者位置情報システム事業を行っているところがあります。携帯の端末機を貸し出してくれ、これを本人の衣服に縫いつけたり、おまもりなどに入れておきます。行方がわからなくなったときには、家族が電話やパソコンで居場所を確認できます。また、徘徊予防グッズも市販されています。子機を身に着けている人が本体機器から設定した距離以上に離れると、音で知らせる徘徊感知機器などいろいろあります。
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